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タンザニアでマラリア予防に取り組むスイス熱帯研究所

毎年マラリアによる死亡者は100万人出るといわれ、その多くは子供だ。第1回アフリカ・マラリア・デーを前に、タンザニアで蚊帳を使ったマラリア予防に取り組むスイス熱帯研究所(バーゼル)に注目してみる。

スイス熱帯研究所はスイス開発局から資金供給を受け、1996年からタンザニア南西部のキロムベロとウランガの2つの地域でマラリア予防のため蚊帳を配付するという試験的に行ったところ、マラリアによる子供の死亡率が27%も減少した。この成果により、今春から蚊帳は国家プログラムに拡大された。「数字にすると毎年100人の子供達の命を救うことになる。」と言うのはプロジェクト・リーダーのクリスチャン・レンゲラー博士だ。「蚊帳でタンザニアの全ての子供をマラリアから救うことができるのなら、一念で約30、000人の命を救うことになる。アフリカ全土に拡大すれば、毎年50万人を救うことができるのだ。」。

アフリカ、アジア、中南米諸国では、毎年5億人のマラリア発病者が出る。マラリアの猛威は、アフリカ諸国に健康上だけでなく経済の上でも大きな影響を与えており、年間国民総錘Y(GNP)成長率を1.3%減少させているという。タンザニアの蚊帳計画には、スイス開発局、世界保健機関(WHO)、国連児投�金(ユニセフ)などから資金援助を提供する。

スイスでも19世紀半ば、マラリアは河川流域平野や沼地で発垂オた。マラリアの媒体である蚊の総ンはそのままのため、スイスでも再びマラリア流行が起こる可能性があると専門家らは言う。また、毎年マラリア発症地域へ行くスイス人旅行者70万人のうち300人以上がマラリアに罹って帰国、スイスに病気を持ち込んでいる。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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