チョコレートがあなたを守る
一日に数粒のダーク・チョコレート。チューリヒ大学病院によると、これが深刻な心臓病になるリスクを軽減させる。
種類はダーク・チョコレート、量はあくまで少量、がポイントだ。ミルク・チョコレートやホワイト・チョコレートではカロリーの提供こそすれ、健康にはあまり関係ない。
報告書によると、少量のダーク・チョコレートを毎日食べることによって、体内の抗酸化物質の濃度が劇的に多くなり、これが心臓に良い影響を与える。ダーク・チョコレートの74%はカカオ豆で作られている。調査対象となったのは20人の男性喫煙者だ。
喫煙者に大きな効果
喫煙は、動脈の壁を作っている細胞や血小板の働きを阻害する。このため動脈硬化や心臓発作を引き起こすリスクも高くなる。
20人の喫煙者は24時間、抗酸化物質を多く含む食事を避け、毎日40gのチョコレートを食べて、血流がどのように変化するか経過を調査された。
また、ホワイト・チョコレートとダーク・チョコレートの効果の違いも比べられた。
適切な量を食べましょう
2時間後、超音波検査はダーク・チョコレートを食べた喫煙者の血流が劇的に改善したことを示した。喫煙を続けても、この効果は8時間ほど続いた。
一方、カカオ豆を4%しか含まないホワイト・チョコレートで同じ実験をしたが、効果はあまり見られなかった。ダーク・チョコレートの成分は74%がカカオ豆だ。この違いが重要らしい。この調査結果は「心臓医療ジャーナル」に掲載された。
研究者は、今後さらに詳しい調査が必要だと断りながらも、「ダーク・チョコレートに含まれる抗酸化物質が、体に良い影響を与えている可能性が高い」と話している。
抗酸化物質を含む食べ物は多い。赤ワインやお茶、ラズベリーやブルーベリーをはじめとするベリー種の果物などが有名だ。しかし、ダーク・チョコレートほど抗酸化物質を多く含む食べ物は他にないという。
この実験結果は、ダーク・チョコレートの効果を高く評価しているが、同時に食べすぎは逆効果だとも警告している。あくまで一日数粒、が健康の秘訣だ。
swissinfo、外電 遊佐弘美(意訳)
キーワード
カカオ豆には繊維とミネラル、フラボノイドなどが含まれている。
フラボノイドは赤ワインなどにも含まれる化学成分で、血管に良い影響を与える。
ダーク・チョコレートはカカオ豆を多く含む一方で、脂肪や砂糖は少ない。

JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。