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デジタルファイナンス スイス、フィンテックに配慮し銀行法改正

2016年11月、ウエリ・マウラー経済相(当時)はスイスをフィンテックの一等地にする考えを表明

(Keystone)

世界のフィンテックの中心地を目指すスイス。政府はフィンテックへの規制緩和でスタートアップの起業を促進する。この穏健な規制により、フィンテック企業はクラウドファンディングで資金調達しやすくなった。銀行免許を取得せずにニッチな金融サービスを始めるための道も開けた。

 昨年11月、当時のウエリ・マウラー経済相は会見で、フィンテックという新分野においてスイスが「イノベーション促進型の規制環境」を整えることが極めて重要だとし、「スイスはこの分野で最も重要なプレーヤーの1人であり続けたいと考えている」と明言した。

 こうした方針のなかで連邦議会は今年7月、銀行法改正案を可決した。小企業を大手銀行に適用される煩雑な手続きから免除し、最新のデジタルイノベーションを速やかに展開できる環境を作る狙いだ。改正法は同8月に施行した。

 連邦財務省のヨルグ・ガッサー国際金融庁長官は、「この法案は国際的に見ても高い競争力を持つ法的枠組みだと」と胸を張る。スイスは他国には見られない新しい条件の新天地を切り開こうとしているとも付け加えた。欧州でフィンテックのリーダーと見なされている英国でさえ、このような規制緩和策を取り入れてはいないと言う。

サンドボックス

 改正銀行法の特徴は、現行法の規制を一時的に停止することで、スタートアップ企業が安心して新しいサービスを展開できる「レギュラトリー・サンドボックス(規制の砂場)制度」だ。預金100万フラン以下では、銀行としての営業許可を受けずにサービスを始められる。預金が100万フランを超えた場合に事後的に申請すればよく、許可が下りるまでサービスを続けられる。

 もう一つの柱は、貸付業務を伴わない預金サービスを行うフィンテック企業向けの特別銀行免許を設定することだ。この免許は預金額1億フラン以下の企業に限定されるが、銀行監督者がその上限を引き上げることもできる。

 法改正の三つ目の目的は、スタートアップ企業がクラウドファンディングを介してよりスムーズに資金調達できるようにすることだ。現行法では、企業は7日後には資金提供者が自由にお金を引き出せるようにする義務があるが、改正で60日に延長された。

 現在フィンテックの波は急速に金融サービスで広がっており、いずれは業界全体に劇的な変化をもたらす。現在議論されている改良の中でも、新たなデジタルサービスは取引のコストと時間削減を可能にし、結果として多くの仲介サービスから職を奪うことにもなる。

成長分野

 スイスは世界のフィンテックの中で存在感を示そうと、他の先進経済諸国と激しく競合している。ツーク州の「クリプトバレー(暗号の谷)」と呼ばれる地域にフィンテック企業が続々と集まる一方で、規制当局や政府の消極的な対応が業界の成長を遅らせているという批判も上がっていた。

 そのような中での今回の規制緩和は、スイスのフィンテック業界から歓迎された。

また、スイス金融市場監督機構(Finma)は、小規模で革新的な企業には煩雑で形式的な起業手続きを簡素化しようと考えている。今年3月には、ビデオやオンライン認証を使った顧客照合に関する規制を緩和した。

フィンテック

急速に拡大するフィンテック産業は、今やデジタル金融サービスを完全に網羅している。様々なソフトウェアプラットフォームやアプリケーションによって、小口銀行業務から送金、保険、資産管理まで、顧客はデジタルなサービスが受けられるようになった。

これにはスマートフォン決済、資産管理のロボアドバイザー、価格比較アプリ、個人仕様のSNSグループ、クラウドファンディング・システムなどが含まれる。ブロックチェーンと呼ばれる分散型ネットワークでは、銀行や正規の決済システムを介さずに仮想通貨(ビットコインなど)やデジタル通貨(地域通貨など)保存し、流通させることができる。取引にかかるコストの削減、安全性の向上、中央銀行に管理された不換通貨の変動性の回避などが実現できる。

グーグルやアマゾン、アリババなどの巨大テクノロジー企業もまた、フィンテック競争に参戦している。フィンテックの対象顧客は今や、ウォールストリートのトレーダーや億万長者だけではなく、普通の家庭にまで広がっている。

インフォボックス終わり


(英語からの翻訳・由比かおり)

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