スイス、ボロディン前露大統領府総務部長の引き渡し要請
スイス司法当局は、18日ニューヨークの空港で身柄を拘束されたボロディン前露大統領府総務部長をマネー・ロンダリング疑惑取り調べのため引き渡すよう米国に要請した。
事件を担当しているベルナルド・ベルトッサジュネーブ州検事は、ボロディン前総務部長は約2、500万ドル(4、100万スイスフラン)相当の資金をスイスで洗浄した疑惑があるという。ベルトッサ検事は「米当局から18日ボロディン逮捕の公式通知があった。彼は我々の国際手配に則って逮捕されたもので、スイスに身柄を引き渡すよう米国に要請した。」と語った。ベルトッサ検事によると、スイスは米国からのボロディン引き渡し要請をするために40日間という期間がある。米連邦裁判所は18日、ボロディン前総務部長を1月25日までニューヨーク拘置所に拘束するし、同日出廷させると決定した。
ボロディン前露大統領府総務部長は、クレムリンの改築工事落札の見返りとしてティチーノ州の建設会社マベテックスとメルカタの2社から賄賂を受け取った容疑でスイスが国際逮捕状を出していた。ベルトッサ検事は、マベテックスとメルカタがボロディン元総務部長、エリツィン前大統領の家族らロシア高官に数百万ドル相当の賄賂を贈った容疑を調査中だ。
モスクワでは、イゴール・イヴァノフ外相が駐露米大使を召喚し、ボロディン逮捕に抗議し即時釈放を要求した。ジュネーブのボロディンの弁護士、ドミニク・ポンセ氏は、ロシア人高官の汚職を裁く事ができるのはロシア司法だけで、ロシアの検察が先月捜査中止を決定しているので、ボロディン氏はこの件でスイスで起訴されることはないと述べた。ロシア当局は証拠不十分を理由に先月捜査を中止した。
ボロディン前総務部長は、昨年プーチン大統領の就任とともに離職、現在はロシアとベラルーシの同盟推進のための特別作業委員会の会長を務めている。
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