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ルツェルンで欧州評議会議員会議

欧州評議会のロゴとルツェルンの景観 swissinfo.ch

5月27日から29日までルツェルンで欧州評議会議員会議が開催される。仏ストラスブールを離れスイスで開催されるのは、87年のローザンヌに次いで二回め。

欧州評議会加盟各国の国会議員代表団によって構成される議員会議は、定数306議席(議員および予備議員各306名で、総議員数612名)で、各国の議席配分は人口・GNP比に基づいて決められ2〜18議席。スイスは63年に加盟、現在議員6名、予備議員6名計12議席を有する。ルツェルン会議には約200人が出席する。主な議題はクルド難民の人道問題、トルコのイリス・ダム建設、バルカン半島の戦争孤児、世界人口問題など。

初日の27日は欧州移民・難民デーにあたり、ルート・メツラー司法・警察相はスイスの移民および難民政策に関する演説を行う。また、28日にはジョセフ・ダイス外相が政治委員会に出席し、ユーゴスラビア連邦共和国の加盟申請について討議する。

欧州評議会は1949年、人権、民主主義、法の支配という価値観を共有する西欧10カ国が、その実現のための加盟国間の協調を拡大することを目的としてフランス・ストラスブールに設置した国際機関で、欧州連合(EU)とは全く別のもの。政治、経済、社会、文化等多岐にわたる分野を対象とするが、提言はするが法的効力は持たない。が、下院(国民議会)外交委員会委員長で96年から議員会議メンバーのクロード・フレイ議員は、「欧州評議会は東西の欧州諸国が一同に会する唯一の場だ。ベルリンの壁崩壊以来、民主主義、政治的多様性、人権の尊重など欧州基準を満たさなければ諸国にとって、とても重要な機関だ。」と欧州評議会の重要性をswissinfoに語った。

フレイ議員によると、スイスは欧州評議会で「倫理当局」としての役割を果たしているという。「スイスは小さな中立国だが、評議会内ではきわめて大きな役割を果たしている。私は十人以上の候補者の中からユーゴスラビア連邦共和国の加盟調整委員に選出された。何故か?スイスは紛争に関わっていないからだ。欧州評議会の使命は国際人道法(ジュネーブ条約)のデポジトリー国スイスの本文と一致する。」とフレイ議員は述べた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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