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世界気候会議 気候情報共有に向けて

Keystone

温暖化が確実な現在、世界各国が情報を共有することで温暖化が引き起こすリスクをいかに最小限に抑えるかが大きな課題になっている。

このコンテンツは 2009/08/28 15:31

リスクは洪水、ハリケーンなど単発的自然災害から、水、農業、観光など長期に影響を受ける分野にまで広がる。スイスと世界気象機関 ( WMO ) は共催で8月31日からの5日間、リスク回避のための情報ネットワーク作成を目指し、第3回世界気候会議 ( WCC-3 ) 」を開催する。

情報ネットワーク作成宣言

「あらゆる国が気候情報を共有できること。特に途上国や温暖化によるリスクが高い国が情報へアクセスでき、対策を立てられるようになることだ」
と、連邦環境局( BAFU/OFEV )のコンサルタントを務める物理学者ジョゼ・ロメロ氏は8月27日ジュネーブで語った。

気候観測や予測の既存のネットワークを使用しながら、それらを技術的に向上させること、さらに情報提供者とその利用者間の対話を進めることが同会議の目的だ。

情報提供者とは気象学者のみならず森や地質などの研究者も含み、会議の最初の3日間に情報を出し合うワークショップを行う。また利用者とはこうした情報を活用し対策や政策決定を行う人たちで、分野としては水、エネルギー、産業、健康、観光、リスクマネジメントなどに及び、こうした専門家間でもワークショップが開かれる。

後半の2日間は、各国の閣僚レベルの会合で、「科学と政治に橋を架ける」作業、つまり科学者からの情報を共有するネットワーク作成宣言採択のための話し合いが行われる。採択後の具体的作業には時間がかかるが、重要なことは各国政府が今、情報ネットワーク作成宣言を承認することだという。

「この承認によって、技術レベルでの国際間の合意はすでにあるという既成事実を作り、ポスト京都の枠組みを決定する12月のコペンハーゲンでの『国連気候変動枠組み条約・第15回締約国会議( COP15 ) 』が、よりスムーズに合意される推進力になればという意図があった」
とロメロ氏は開催理由を説明する。

世界気候会議は、過去2回とも科学者側からの強い開催要求に対し、スイスがホスト国となり、世界気象機関 ( WMO ) とともにジュネーブで開催されてきた。1979年の第1回は、その後ノーベル平和賞を受賞する、「気候変動に関する政府間パネル ( IPCC ) 」を生み出す契機が作られ、1990年の第2回会合では、「国連気候変動枠組み条約 ( UNFCCC ) 」の成立の基礎が築かれた。

「今回科学者たちは、温暖化という事実のもとに、1歩先んじて対策と適応に向けて舵と取ったということだ」
とロメロ氏はこの気候会議を特色づける。

スイスの新しい観測機器や観測方法

一方スイスは、同会議で情報共有ネットワーク作成に賛成するとともに、主にリスクマネジメント分野でその伝統と経験を世界に提供する意向だ。

「スイスには、150年間にわたる気温と降水量観察の経験、19世紀からの氷河の観測がある。この長期にわたる観測経験とシステム化されたハイレベルの観測方法を世界の国々に伝えたい。また新しい観測機器や方法も参考にしてほしい」
と、連邦環境局副局長アンドレアス・ゲーツ氏は言う。

近年スイスでは、主にアルプス地域で温暖化による被害を多く経験し、今後も降水量の増加や氷河の溶解による増水で洪水や土砂崩れが多発すると見られている。

こうした近年の経験から、新しい観測機器や観測方法も誕生している。例えば、観測機器の1つに山の斜面の断層を観測し、土砂崩れの危険性を知らせるものがある。また、リスクマネジメントとして、災害の起きやすい地域を色でマークした「危険表示地図」の作成もある。こうした方面での進んだ技術を今回の会議でも提示していく予定だ。

「スイスは100年の間、洪水で悩まされてきた。この試行錯誤を繰り返して得た経験を、ほかの国が同じ過ちを犯さないように生かしていきたい」
と自然災害防止の技術者でもあったゲーツ氏は語った。

里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 、swissinfo.ch

第3回世界気候会議 ( WCC-3 )

8月31日から9月4日まで、ジュネーブの国際会議場 ( CICG ) で開催される。

気象学者や森、地質などの科学者、気候に関する情報を受けて対策や政策決定を行う、さまざまな分野の専門家、閣僚レベルの政府関係者など、およそ1500人が出席する。

始めの3日間は、主に技術的レベルでの専門家間のワークショップ。後半2日間で各国閣僚レベルでの情報ネットワーク作成宣言が採択される。

「より良い未来のための、より良い気候情報」を基本テーマに、世界各国が情報を共有することで温暖化が引き起こすリスクを減少させることを目指す。

コペンハーゲンでの「国連気候変動枠組み条約・第15回締約国会議( COP15 ) 」 とは性格が異なる、あくまで技術的レベルでの合意を目指す会議だが、コペンハーゲンでの合意の推進力になることが期待されている。

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