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世界経済フォーラムとパブリック・アイ、準備に追われるニューヨーク

世界経済フォーラム年次総会の準備をするウォルドルフ・アストリアホテル. swiss-image.ch

31日から開催される世界経済フォーラム(通称ダボス会議)年次総会に出席する世界の政財官学界を代表する200人がニューヨークに集まって来た。同日始まる反ダボス・サミットのパブリック・アイへの参加者もニューヨークに集まっている。

例年スイス山あいの小さなリゾート、ダボスで開催される世界経済フォーラム(WEF)年次総会は、今年は昨年9月11月の米同時多発テロ後の世界経済界の対テロ結束を誇示するためニューヨークで開催される。フォーラム会場となるウォルドルフ・アストリア・ホテル周辺では、すでに30日から数百人の警官が配備されている。ホテルがあるパークアベニューは数ブロックにわたって通行止めとなり、ホテル入館者に対する警官による厳重なチェックが実施されている。今年のフォーラムの主題はテロ後の国際情勢の緊張と経済的影響で、31日夕方カスパル・フィリガー・スイス大統領によって公式に開会される。

一方、同じく31日、スイスのNGO主催の反ダボス会議・サミット、パブリック・アイ・オン・ダボスが一足先にフィリガー大統領によて開会される。パブリック・アイは今年で3回目の開催。市民社会の代表に経済のグローバル化批判の機会を提供し、公正で持続的な世界経済への道を討議することを目指す。「世界経済フォーラムは、大企業のトップが政府首脳とWTOのような世界的な経済・金融機関首脳を招いて経済政策について討議する密室会議だ。」パブリック・アイの主催者の1人、プロ・ナチュラのミリアム・ベーレンスさんはいう。ベーレンスさんらは、WEFは経済の自由化を促進し、自らの影響を拡大している多国籍企業など世界の大企業のための「プライベートクラブ」だと批判する。「我々は世界経済フォーラムにも出席者を出し、WEFとの討議もする。が、我々がWEFへ持ち込めるものは限られている。」とベーレンスさんはいう。ベーレンスさんは、世界経済フォーラムに招待されるNGOは少なすぎ、あまり重要でない討論会に傍観者として出るだけで終ってしまうという。が、今回WEFとパブリック・アイ会議の開会式がどちらもフィリガー大統領によって行われる事により市民運動とフィリガー大統領の団結を示す事ができ、パブリック・アイにとっては大きな励ましとなるとベーレンスさんは述べた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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