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傭兵に規制を

傭兵マーケットはブーム。民間企業が派遣し経済の大きなファクターになっている Keystone Archive

ジュネーブで11月、スイスの主催で傭兵についての国際会議が開催される予定だ。専門家が集まり、傭兵を規制することが検討される。

このコンテンツは 2006/09/09 15:26

現在、傭兵は民間企業が募集し、およそ100カ国に派遣されている。世界中にまたがる傭兵マーケットの総売上は年間1000億ドル ( 11兆6000億円 ) にも上る。

赤十字国際委員会と合同でスイスは、傭兵を規制することを検討している。今回開催される国際会議で「大切なのは、より多くの国からより多くの専門家をジュネーブに招くことだ」と連邦外務省の人権局副局長のクリスティネ・シュラーナー氏は言う。

スイスにもある民間傭兵派遣会社

傭兵の国際会議は以下の3点を目標として掲げている。1. 国内と国際レベルで傭兵の規制を検討する 2. 国際法と人権面から傭兵についての国家の義務を明確にする 3. 民間の傭兵派遣会社について、国家間での話し合いを促進する。

スイス人の傭兵は、その長い歴史の上で、勇敢さで有名だった。19世紀までスイス人は傭兵として外国で働き、その数は200万人とも計算される。現在、イラクだけでも、各国から集まった傭兵の数は2万〜2万5000人。ダイコープ ( DyCorp ) 、CACI インターナショナル、グローバル・リスク ( Global Risk ) といった民間企業が派遣を請け負う。スイス政府が、スイスにある傭兵派遣会社について調査したところ、ティチーノ州に3社、バーゼル地方に1社あることが分かった。こうした企業の存在は、スイスの中立性の根源にかかわる問題だ。

スイスも必要とする傭兵

2005年末に連邦内閣が行った調査で、戦地などでセキュリティーを請け負う民間のスイス企業はそれほど多くはないことがわかった。しかし、その数は増えている。また、統計には現れない企業も多くあると見られている。「永世中立国スイスの名前を利用する企業も出てくる可能性はある」と調査で報告されている。

一方、スイスがこうした民間企業を利用したこともある。例えば、南アの「メテオリック・タクティカル・ソルーションズ社 ( Meteoric Tactical Solutions ) 」の仲介で警備員を雇い、バグダッドでの警護に当たらせた。

無国籍地帯でブーム

法律上の無国籍地帯で、こうした新しいビジネスが生まれた。アブグレイブ刑務所でイラク人を虐待し、拷問に掛けたアメリカ軍の兵士には有罪判決が下ったが、同じような犯罪を犯しても傭兵なので罰せられなかったという事実がある。早期の傭兵の制度化が望まれる一例だ。

「傭兵を認めるか認めないかという問題ではない。傭兵はすでに存在し、無視し続けるわけにはいかない」と言う赤十字国際委員会のクロード・ヴォラ氏は、民間企業との関係に注目する。「民間企業、多国籍企業、NGO、ジャーナリストなどがボディーガードを雇う。われわれの使命は、民間の傭兵派遣企業が国際法を守るように仕向ける規制を設けることにある」と言う。

swissinfo、イアン・アメル 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 意訳

補足情報

<傭兵>
国外で働く兵士のこと。1831年以来、通算でおよそ6万人のスイス人がフランスの外人部隊で働いた。例えば傭兵派遣会社CACI インターナショナルは、1962年アメリカのヴァージニア州で創立され、1万人の従業員を抱えている。年間売上はおよそ10億ドル ( 約1160億円 )。イラクに派遣されている傭兵は1日1000ドル稼 ( 約11万6000円 )ぐ。

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