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出生率が最低値に

ますます少子化するスイスに出産を奨励する政策はどれだけの効果を生むか。 Keystone

スイスの出生率が過去25年来、最低となった。今後も、上昇はしないと予測する専門家もいる。女性の社会進出が進み、仕事と子供が両立しにくい社会構造が主な理由と見られる。

このコンテンツは 2004/07/09 16:01

都会を歩いていて見かける子供の数は日本より断然少ないのがスイス。学校へ通う子供達がお昼に家に帰って昼食を取るなど、母親の負担は大きい。女性の社会進出に伴い、子供を断念する夫婦は増えている。

連邦統計局が6日発表した統計によると、2003年にスイスで生まれた子供の数は71,848人で、前年より0.7%減少した。一人の女性の産む子供の数は90年代には1.59人だったのが、昨年は1.37人まで下がった。また、スイス国内の出生人数は死亡人数より8,800人多いだけで、スペイン風邪の大流行で死産が多かった1918年以来、人口の伸びは最も小幅だった。また、女性の出産年齢が上昇し、5分の3の女性が30歳代で子供を生んでいる。

少子化傾向は先進国全体の問題

チューリヒ大学付属の社会学研究所のベアット・フックス氏によると、スイスのみならず少子化は過去40年間続くヨーロッパ諸国全体の傾向。「現在特に、男女均衡の必要性が声高に訴えられている中、女性はこれまでになく高い教育を受けており、働きたいと思う女性が増えている」と少子化の理由を挙げた。少子化の理由はスイスも日本も似たようなもののようである。

フックス氏は少子化に歯止めをかけることは難しいという意見で、ヨーロッパ諸国が少子化に向かっている中、スイスも例外ではなく、この問題に社会が適応していくしかないと見ている。「子供を持ちたいと希望する女性に対して、手厚い社会的補助をしても、全体的には大きな効果は期待できないようだ」と同氏は半ば諦めるしかないとの意見である。

出産を妨げる社会構造

フックス氏は、子供を持てる環境が作られても、世代が簡単に若返ることは考えられないというが、そもそもスイスには、女性が働きながら、子供を育てることが簡単にできる社会環境がない。

たとえば、出産育児保険には企業が個別に加入するだけで、老齢年金とは違って連邦が運営する保険がない。妊娠中の女性を解雇することは労働法で禁止されているが、退職に追い込むようにプレッシャーをかけるなどして、妊婦に不利になっているのが現状だと労働組合の「トラバーユ・スイス」は指摘している。

9月26日に行われる国民投票では、出産した女性に対して、出産前の給料の14週間分の8割、ただし最高金額は1日172フラン(約14,620円)を保証する法律改正の是非が問われるが、これまでも妊娠した女性の労働条件を向上するような法案は押しなべて、国民投票で拒否されており、今回の国民投票の結果は特に注目されるところである。

スイス国際放送 エティエン・シュトレーベル (佐藤夕美 (さとうゆうみ)意訳)

キーワード

2003年にスイスで生まれた子供の数は71,800人だった。
2002年より0.7%減少した。
出生率は1.37。
30歳台で子供を産むお母さんが最も多い。

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