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国連改革 スイスにかけられる期待

改革が必要とされる国連安全保障理事会

(Keystone)

スイスも国連安全保障理事会のメンバーに選ばれ、国連改革に貢献できる可能性があるとコリン・キーティング氏は見る。

常任理事国5カ国と非常任理事国10カ国から成る、国連安全保障理事会は、重要問題の決定における常任理事国の拒否権など、多くの問題を抱え、長年改革が検討されてきた。スイスはスモール5のメンバーと共に改革案を提示。国連大使を務めたニュージーランドのキーティング氏は、スイスの国際社会での信頼ある仲介者としての役割りを高く評価し、国連改革にも大きく貢献する国だと見る。

swissinfo : 国連安全保障理事会 ( 以下安保理 ) は効率が悪く、透明性に欠けていると批判する人々に対し、どう応じますか。

キーティング : こうした批判は多くの場合正しいものです。安保理は1945年に、今日とは非常に異なる時代背景の中で創設されました。

その後、ある点では改革を実践し、ある点ではまったく変わっていません。例えばその任務は拡張してきました。国家間の紛争だけではなく、紛争 (しばしば内紛 ) の原因を探り、解決を図ってきました。

しかし、安保理は基本的に非常に古びていて、ほとんど第1次大戦以前の考え方で動いています。従って改革は当然あるべきものですが、外からではなく、内部から行われるべきだと思います。

例えば非常任理事国の1つである、コスタリカのような小国の貢献で、他国の意見をじっくり聞く、またはより高い透明性を持つといった点での改革がなされました。コスタリカがこうした方式を導入できたのですから、スイスも 同様な貢献ができると確信しています。

swissinfo : 安保理の改革が求められて以来17年が経過し、この間ほとんど凍結状態が続いてきましたが、改革への糸口はまだ残っているのでしょうか。

キーティング : 実はここ12カ月間で変化が生じてきています。安保理の常任理事国の数を増やす方向でキャンペーンを行ってきた国々に妥協案が出てきています。

国連加盟国の、主に大国で、常任理事国の数が拡大されても候補に挙げられなかった国々が、すべての大国が満足するような案を提示したからです。

それは、( 代表的な改革案の1つが提案するように ) 今の常任理事の5カ国に6カ国を加える代わりに、15カ国を加えるというものです。15カ国は特別な権限を持ち、恐らく2年以上の任期で再選もよりしばしば可能という形です。この15カ国にふさわしい国はそれ程多くないので、再選される可能性は高くなるのです。

swissinfo : 安保理の改革を求めて結成された、スイスやコスタリカなど5つの小国からなるグループ「スモールファイブ ( small 5/S5 ) 」は、さらに安保理の拒否権の改革も求めていますが。

キーティング : 安保理の真の改革を行うには、単に常任理事国の数を増やすだけで十分なのではなく、ほかの面での改革が必要です。

その1つが、決議のやり方です。その中でも5つの常任理事国が行使する拒否権の使い方が問題です。国の安全に関する決定以外の場合に行使されれば、間違った使い方になる可能性があります。

拒否権を持つ国の自己規制が重要になってきます。ジェノサイドや一般市民を対象にした虐殺を停止させ、予防させるように行動していくという国際的責任の原則にのっとって自己規制を行うべきです。

スイスとほかのスモールファイブの国々がこの拒否権の改革案を提示したことは、非常に良いことだと思います。この提案文書が適切な ( 納得させるような ) 形で書かれている限り、5つの常任理事国がそれにポジティブな形で返事をすることは十分考えられます。

swissinfo : スイスの将来の役割ですが、安保理のメンバーに選ばれる可能性はありますか。

キーティング : 1993年と1994年にニュージーランドが非常任理事国に選ばれ、私自身国連大使としてその任務に就いていた時期、スイスは小国にもかかわらず、非常に効果的なやり方で貢献ができる国だと感じていました。

もしスイスが非常任理事国のメンバーに選ばれれば、多くのポジティブな結果をもたらしてくれると思います。それも中立国としての立場や価値と矛盾することなく、また舞台裏でひそかに活躍することを好む国のビジョンを汚 ( けが ) す ことなく、行ってくれると思います。

swissinfo : 金融危機は国連の改革の努力にどのような影響を与えると思いますか。

キーティング : 食糧やエネルギー問題を解決し、また貧しい国々を助けるミレニアム開発目標に向かっての資金や労働力を見つけるこが、多くの国で困難になっていくでしょう。

しかし金融危機は、国際的な金融機関を改革していく機会を与えてくれたと捉えることもできます。

もし、この改革のプロセスがうまくいけば、政治家やリーダーたちは勇気づけられ、同じ改革精神を国連でも活用できると考えるようになります。従って、金融危機も良い副産物をもたらしてくれると言えるのではないでしょうか。

ウルス・ガイザー、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、里信邦子 ) 

コリン・キーティング氏略歴

ニュージーランドの外務省、法務省において法的部門の顧問を務める。

1993年から1996年にかけ、国連のニュージーランド大使を務め、1994年には安保理で議長を兼務した。

国連の改革を推進する国連総会のグループにも参加。また、2005年に「安保理レポート ( Security Council Report ) 」のダィレクターに任命される以前は、法学研究に携わっていた。

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スモールファイブ (small5/ S5 ) と安保理の拒否権問題

スイスは国民投票の結果、2002年第190番目の国連加盟国になった。

スイスはグループ、スモールファイブの一員。スモールファイブは、コスタリカ、ヨルダン、リヒテンシュタイン、シンガポール、スイスから成り、2005年に安保理の決議方法の改善と透明性を求める諸改革案を提案した。

国連安全保障理事会は現在、5大国アメリカ、イギリス、中国、フランス、ロシアの常任理事国と10カ国の非常任理事国から構成される。

国連の最高決定機関である安保理の決議には法的拘束力がある。採択には15カ国のうち9カ国以上が賛成し、かつ常任理事国のすべてが拒否権を行使しないことが必要とされている。

常任理事国は、重要問題の決定である実質事項 において拒否権を有しており、常任理事国の1カ国でも反対すれば、「大国一致の原則」によって提案は可決されない。
歴史的には冷戦期にアメリカとソ連がしばしば拒否権を行使した。

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