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家電の廃棄処分 スイスがモデル

的確な廃棄処分を待つE-ゴミ

従来からあるテレビ、携帯、コンピュータ、冷蔵庫などといった家電のほか、ITの急速な発達により、次々と不要になる電気、エレクトロニクス製品が、E-ゴミとして排出される量はますます増加の傾向にある。

E-ゴミの環境を配慮した廃棄処理、リサイクル方法について、スイスは10年ほど前から各国に先駆け対策を立ててきた。現在は連邦が条例で国全体をまとめて規制し、成果を挙げている。

 スイスでは、消費者が家電やIT関連製品を買うと同時に、廃棄処理料金も支払うようになっている。この料金でカバーされるのは、廃棄処分されるE-ゴミの回収と処理だ。販売、輸入、製造に携わるこれら3者もゴミを排出し廃棄処理に責任がある者として、廃棄処理代を支払うことが義務付けられている。こうして最後には、E-ゴミとなる家電・エレクトロニクスの製品にかかわるすべての人が廃棄処理コストに責任を持つように、連邦の条例で定められている。

スイスはお手本

 しかもスイスには、廃棄処理を専門とする優秀な関連企業が数多くあるのも特徴だ。こうした企業をまとめるのが、スイス処理基金(S.EN.S)とスイスIT・情報・運営技術経済連盟(SWICO)である。スイス国内で発生するE-ゴミの処理とその費用の捻出をこの2機関が請け負っている。

 スイスではE-ゴミの処理の仕組みが効率的に動いていると注目されている。EUとアジア諸国からは現在、これを参考にしようとこれらの2つの機関に問い合わせが多くあるという。すでに、S.EN.Sが定めた冷蔵庫の処理とリサイクリングに関する規定はEUがそのまま取り入れた。

多くの優秀な企業

 民間企業の取り組みも注目に値する。たとえば「インマルク(Immark AG)」。冷蔵庫をはじめとする家電の処理が専門だ。チューリヒ市郊外のレーゲンスドルフ(Regensdorf)に2002年から本社を置くインマルクは、スイスで発生するE-ゴミのうち冷蔵庫などの家電の4分の1にあたる年間1万8000トンを処理する。

 処理は3工程からなる。まずE-ゴミは大きく切断される。その中から環境破壊につながるような電池、スイッチ、コンデンサー、バッテリーなどが取り除かれる。次に重金属、軽金属が選別され、化学物質と有機物は焼却される。

消費者負担の処理コストは必須

 インマルクが成功した理由は、このプロセスにある。「人体や環境に害を与えるような危険物質を分別するには、従来はゴミをひとつひとつ人の手で解体していかなければなりませんでしたが、わが社では機械が分別します」とヨッヘン・アプヘル社長は説明する。インマルクでも一部手作業も必要な場合があるものの、ほとんどオートメ化されているのが特徴という。また、貴金属を再利用できるよう仕分けできるのも特徴だ。「とはいえ、コスト面で見ると、貴金属の再利用は採算が合いません」とアプヘル社長は明かす。

 アプヘル社長はまた「連邦の条例によりSWICOが管理するプロセスによってE-ゴミは処分されることになっていますが、わが社は、ゴミ回収大手や大手企業と直接ビジネスを展開しています」と仲介を入れることによってかかるであろうコストがインマルクにはないことが、収益を上げている理由だと語る。
 
 また、インマルクの機械はスペインやアイルランドなどに輸出されている。現在、ドイツやイタリアからの問い合わせもあり、E-ゴミの処分業務だけではなく、スイス企業のノウハウが有望な輸出商品となっている。

 いずれにせよ、インマルクのような成功企業でも、家電などの購入時に自動的に消費者から支払われる処理料金の徴収システムがなければ、今後の開発への投資は難しい。ゴミ処理には、ゴミを出したすべての人や企業が責任を持つことが、あくまでも基本である。

swissinfo、パオラ・ベルトラメ 佐藤夕美(さとうゆうみ)意訳

補足情報

- スイスのE-ゴミの量は2005年で4万2000トン(前年より6000トン増加)だった。
- 国民1人あたり5.7Kgが処分された。
- E-ゴミのリサイクル率は75%。
- EUの指針では年間1人あたり4Kgが目標。
- 1980年から25年間でスイスが輸入する家電の量は800%増加した。

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