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日本・スイス経済連携協定 調印へ

(Keystone)

2007年5月以来、8回の交渉会合を経て日本とスイスとの経済連携協定 ( EPA ) が2月19日、調印されることになった。スイスからはドリス・ロイタルト経済相が訪日し調印式に臨む予定だ。

協定には両国間の貿易における物品関税の段階的撤廃や原産地規制、投資、サービス・貿易、知的財産、人の往来、税関手続き、電子商取引、競争、経済関係緊密化といった項目での取り決めが盛り込まれている。

物品貿易で関税撤廃

 昨年の両国の交渉中にもスイス側の主席交渉官であるルツィウス・ワセシャ大使が
「スイスにとって日本への市場アクセスが可能になるばかりか、アジア全体への拠点ができる」
 と大きな期待を寄せ、スイスは交渉に非常に積極的に取り組んで来た。今回の調印に向けスイスのメディアも、2国間関係を大きく取り上げ注目している。

 協定は調印後、スイスでは連邦議会の批准を経て締結となる。協定が発効されれば、両国の貿易の金額で見た場合の99%以上を占める物品の関税が10年以内に撤廃されることになる。すなわち、鉱工業品については、日本からのスイスへの輸入は全ての品目について即時関税が撤廃され、スイスから日本への輸入品については、一部を除きほぼ全ての関税が即時撤廃されることになる。日本からのスイスへの農林水産品の輸入関税も一部は即時撤廃され、スイスからの日本への輸入は、フルーツ・ピューレ、チョコレートなどは関税割当、もしくは関税削減、ワインは段階的に関税が撤廃となる。

 また、人の往来については、日本資本の会社をスイスに設立する場合、これまで取締役にスイス人を入れることが条件として課せられていたが、これを撤廃する。また、滞在許可証の発行についての制限を日本人には適用しないことになる。

市場があってこその物流

 日本側の主席交渉官、横田淳国際貿易・経済担当大使は東京でのスイスインフォの取材に応え
「あらゆる産業分野で利益を得る。特に両国にとって、関税を撤廃することで得る利益は大きい。日本からスイスへの輸入品の7割以上が課税対象である対し、スイスから日本へのそれは24%。協定が発効されると日本はこれまで以上に有利に貿易を行える」
 と語った。

 一方、ジュネーブに事務所を置くジェトロ ( 日本貿易振興機構/JETRO ) の渡辺道明所長は、両国の経済提携協定をきっかけとして
「日本の農業は、高質な農作物を作って活性化を図ろうとしている。その意味で日本の高級果物、例えばリンゴなどを贈答用としてスイスに輸出できないだろうかと検討するための調査を始めようかと思っている」
 と語った。農作物で両国の関税が一部撤廃されても、例えばヨーロッパの小売業組合による食の安全を守るための生の果物や野菜の適正農業規範 ( GLOBALGAP ) に適合していないと、スイスに輸入することは難しい。協定が締結されても、市場があってこその物流。よって、日本の農作物がスイスに急激に流入して来るといったことはないようだ。

 スイスは、EUとは協定を結び、欧州自由貿易連合 ( EFTA ) 、欧州経済地域 ( EEA ) といった経済圏や国、合計18カ国と地域との自由貿易協定を交わしており、日本は第19番目となる。世界がグローバル化する中、自由貿易、経済提携協定を結ばない国に対する差別化をどう考えるのかといった問題はさておき、スイスは今、ペルー、インドネシア、中国などとの協定を模索中だ。

swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )

2006年スイス・日本貿易

スイスにとって日本はEU、アメリカ合衆国に次いで第3の貿易相手国である。
物品貿易ではスイスから日本への輸出額は67億フラン ( 約5290億円 ) 。日本からの輸入額は31億フラン ( 2450億円 ) だった。
サービス貿易は2005年で、スイスからの日本への輸出額が63億フラン ( 約4980億円 ) 、日本からの輸入額は27億フラン ( 2130億円 ) だった。
また、2005年末でスイスからの日本への投資額は77億フラン ( 約6080億円 ) 、日本からのスイスへの投資額は11億フラン ( 約870億円 ) だった。

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