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未来の観光旅行はこんな感じ

最後に笑うのは中国かも

(Keystone Archive)

2020年の旅行者は一つの屋根の下に全てが揃っているリゾート地で休暇を過ごすのかもしれない。空港だってその中に入ってしまうのだ。

スイスの大手旅行会社、クオニ(Kuoni)は今年100周年を迎える。これを機会に同社は未来の旅行業界と市場の行方を調査した。この結果によると、すべてが明るいというわけではないらしい。

 未来の観光客は、飛行機から降りたらすぐにさんさんと注ぐ太陽の下に寝転がって、美容トリートメントや割引のプチ整形を受けられるようになる。

2020年、観光客の趣向はかなり変わる

 ゴットリーブ・ドウットヴァイラー研究所はクオニの依頼を受け、2020年の欧州の観光旅行客の傾向を徹底調査した。同研究所は旅行分野の専門家や旅行会社、SF作家や研究者などに未来の観光業界や市場動向についてインタビューを行った。

 このインタビュー結果に基づいて、2020年の観光客の趣向や最も人気のある旅行先などが分析された。これによると、2020年には現在のように退職後に旅行をする人々の数は少なくなる。先進国における人口の減少で定年が延びるためだ。現在、ゆっくり旅行を楽しんでいる65歳以上の層は、今後働かなくてはいけなくなってくる。このため、将来は観光客層も大幅に変わりそうだ。

二極化が進む

 中流階級が少なくなり、非常に安く旅行に行きたいと思う層とかなり贅沢な旅行を選ぶ層に二極化する。しかも彼らは現在よりも自分が何にお金を使うかに敏感だ。

 また、政治不安やテロの恐怖から旅行は今のように手軽に行くものではなくなってくる。環境問題も深刻化するので、今のように太陽の下、トロピカル・ビーチで一週間を過ごそうとは思わなくなるかもしれない。2020年には「太陽の下でリラックスなんてとんでもない」というような雰囲気になっている可能性がある。

 一方で観光業界が喜ぶべき予測としては、長距離の旅行がもっと早く安くなることだ。インターネットのおかげで現地調査やサービスもより簡単に安くなるだろう。技術も進歩するので水の中のホテルや宇宙旅行も視野に入ってくる。同時に海洋や気候の調査技術が進歩することによって自然災害も、今よりもっと早く予想ができるだろう。

 観光旅行の裾野は広がるが、一方で人々の要求は今より厳しくなる。安易なパッケージ旅行よりも、個人の好みにあった旅行をしたいと思う人々が増えるからだ。

出会いの場

 欧州の人々は他の地域よりも仕事や住む場所を頻繁に変えることが多くなるため、家族や家のためにお金や時間を使うことが重要だと考える人々が増える。このため、未来の旅行客はホテルもまるで家にいるような雰囲気を好む。

 リゾートの雰囲気としては、誰かと知り合えるような環境が求められてくるだろう。特に伴侶を失った中高年層には、このような目的のリゾート地がうける可能性が高い。

 今でも人気のある健康志向の旅行は、今後も拡大するだろうが、内容には変化が見られる。今のようにプールやサウナ施設の充実よりも、もっと精神的な意味合いを持ったものが人気商品になるだろう。

 そんなに使えるお金が多くない老年層は、安い賃金で人を雇える国での年金者向けリゾート地に集まる。基本的なケアサービスがついていれば文句なしだ。

 どこにも足を運ばなくても、脳に楽しい旅の記憶だけをインプットすることができるかどうかも検討されたが、調査結果によると答えはノーだ。少なくとも2020年までは。

swissinfo外電、 遊佐弘美(ゆさひろみ)

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クオニ・グループは100年前にアルフレット・クオニによって始まった。
現在では25カ国に支店がある。

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