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氷河特急事故、 運転士に判決下る



2010年7月23日午前12時ごろ、コンシュ谷 ( Conches ) のフィーシュ ( Fiesch ) のすぐ手前で事故は起こった

2010年7月23日午前12時ごろ、コンシュ谷 ( Conches ) のフィーシュ ( Fiesch ) のすぐ手前で事故は起こった

(Keystone)

昨年7月23日に起きた氷河特急事故の運転士に判決が下り、その内容がヴァレー/ヴァリス州の警察から3月7日、正式発表された。

判決は、日本人女性1人が死亡したため殺人と傷害罪で、1日100フラン ( 約8900円 ) で150日分の罰金。2年間の執行猶予がついている。また即座に支払う罰金は500フラン( 約4万4500円 ) となった。

不満であれば民事裁判に

 ヴァレー州警察側の説明によれば、今後2年間にほかの刑事事件を犯さなければ500フラン の罰金だけで済む。しかし、もし犯した場合は100フランの150日分、つまり1万5000フラン( 約133万5000円 ) の罰金になる。

 さらに、以上の判決を運転士は認めたものの、

「もし、遺族や負傷者の家族がこの判決に不満であれば民事裁判に訴えることも可能。そのため事件はまだ完全に終了はしていない」

 と言う。

 事故はマッタ―ホルン・ゴッタルド鉄道 ( MGB ) が運行する氷河特急 ( Glasier Express ) の全6両のうち後部3両がコンシュ谷 ( Conches ) で転覆。尼崎市の女性 ( 64歳 ) が死亡し42人が負傷。うち日本人が28人という大惨事となった。

 その後、連邦政府の鉄道船舶事故調査委員会 ( UUS ) が行った調査の最終報告が今年1月20日に発表された。それによると、カーブを時速35キロで曲がり、その後直線に入った時点で時速55キロに速度を上げるべきところ、数百メートル手間ですでに運転士が56キロに上げたため、遠心力で列車が横倒しになったのであり、脱線事故ではない。つまり完全に運転士による人為事故だと結論していた。

なぜ魔が差したのか

 ではなぜ8年間無事故で働いてきた運転士が、あの日に限り魔が差したようにスピードを上げたのだろうか?マッタ―ホルン・ゴッタルド鉄道 ( MGB ) の広報担当官、クリストフ・クロニック氏に聞いた。

 

 「政府の鉄道船舶事故調査委員会は、わが社が運転士に速度を上げるような人的圧力をかけてはいないと調査の中で証明している。つまりストレスが原因ではないとしている。では、運転士の個人的問題かとなるとそれを詳細に分析することは、わが社ではできない」

 と言う。

 事故後に運転士は、過去まったく過失のない勤務態度が尊重されMGBが提供した、運転以外の勤務を継続することに同意。現在ある駅で切符販売に携わっており、昨年の精神的うつ状態から徐々に回復しているという。

問題は終わっていない

 ところで、この判決でMGB側はこの事件に終止符が打たれたと考えているかとの質問には「法的レベルでは終わったが、MGB内部での問題は終わっていない」との答えが返ってきた。

 確かに運転士の労働時間や労働環境などを検討した上で、政府の調査委員会は、「MGBは運転士にストレスがかかるような働き方をさせていない」と証明したものの、数人の運転士からストレスを感じているとの意見が出ているという。そのため、何がストレスの原因なのか、例えばオペレーションセンターと運転士とのコミュニケ―ションが問題なのかなど、内部で改善点を模索して行く。そのためこの事故はまだ終了していないのだと言う。

 負傷した28人の日本人旅行者に対しては、医療費用はMGBから全額出ており、また事故に対する補償金もやがて支払われる。MGBからこの補償金のおよその金額は提案されたが、後遺症がある人は今後医療にかかる期間の査定などが複雑なため、支払いにはまだしばらく時間がかかるという。

氷河特急 (Glacier Express ) 転覆事故概要

2010年7月23日午前12時ごろ、コンシュ谷 ( Conches ) のフィーシュ ( Fiesch ) のすぐ手前で、氷河特急の全6両のうち後部3両が転覆する事故が発生。

尼崎市の女性 ( 64歳 ) が死亡し42人が負傷。うち日本人が2 8人という大惨事となった。

連邦政府の鉄道船舶事故調査委員会 ( UUS ) が行った調査の最終報告が今年1月20日に発表された。その結果運転士のスピードの出し過ぎが原因で、車両転覆が起きたと結論した。

鉄道のインフラにおいては問題がなく、またマッタ―ホルン・ゴッタルド鉄道 ( MGB )の労働条件も労働基準法に違反していないとしている。

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氷河特急 ( Glacier Express )

1930 年に開通。サン・モリッツとツェルマット間の約270kmを約7時間半で結ぶ。橋291 カ所、トンネル91カ所、標高2044mの峠を走るこの列車は、世界で最もゆっくり走ることでも有名。

開通当時から食堂車が付いており、1980年代には、景色を十分に味わってもらうためパノラマ車両が登場し、人気はさらに高まった。

氷河特急は、ユネスコ世界遺産のベルニーナ鉄道、ゴールデンパスと並びスイスの3大鉄道として知られ、鉄道ファンには人気があるため、観光ルートとして組み込まれることが多い。

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