スイスの視点を10言語で

スイス、ポイ捨て「少ない」8割 アンケート調査

ポイ捨てされた空き缶と小鳥
Keystone-SDA

スイス・ポイ捨て防止コンピテンスセンター(IGSU)の年次アンケート調査によると、「スイスでは多くのゴミが適切に処理されていない」と考える人は16%にとどまった。

アンケートは今年、国内34カ所でポイ捨て状況について尋ねたもの。計2277人が回答した。「適切に処理されていない」と考える人は2015年の初回調査の25%から着実に減っている。

IGSUによると、各調査地点(地元)でのポイ捨てが「少ない」「どちらかといえば少ない」と答えた人は81.4%と、前年から0.2ポイント上昇した。地元でポイ捨てが「多い」「どちらかといえば多い」は8.3%にとどまった。

IGSUのノラ・シュタイマー代表はプレスリリースで「ポイ捨て対策の効果が出ていることはとても喜ばしい。政治、企業、団体、そして何よりメディア報道の功績により、スイスではポイ捨てへの問題意識が着実に高まっている」と述べた。

昨年から設けた「スイス全土のポイ捨て状況」に関する質問では、65%が「不愉快に感じる」と答えた。「地元のポイ捨て」について不愉快に思う人は20%にとどまった。地元より全国的なポイ捨ての方が不愉快に感じる人が多い理由について、連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)の環境心理学者ラルフ・ハンスマン氏は「回答者が地元以外で不愉快な経験をしたか、ポイ捨ての深刻な地域に関するメディア報道の影響」である可能性を指摘した。

IGSUはポイ捨てを科学的見地から減らすための研究にも取り組んでいる。街中、レジャーエリアなど状況別にどのような対策が有効かの検証を進めており、来春に試行プロジェクトを実施する予定だ。

独語からの翻訳・:ムートゥ朋子

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

Xマークの画面

おすすめの記事

スイスでX離れ進む

このコンテンツが公開されたのは、 スイスで「X」から撤退を表明する企業や著名人が相次いでいる。

もっと読む スイスでX離れ進む
ベルジエ報告

おすすめの記事

「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱

このコンテンツが公開されたのは、 スイス最大手のUBS銀行の資料室には、第二次世界大戦中の行動に関する秘密がまだ残されている可能性がある――。過去にスイスの銀行と独ナチス政権とのつながりを調査した歴史家、マルク・ペレノード氏は、再調査の必要性を強調する。

もっと読む 「スイス銀行のナチス関連口座は再調査を」 歴史家ら提唱
整備中の飛行機

おすすめの記事

スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠

このコンテンツが公開されたのは、 スイスインターナショナルエアラインズ(SWISS)のブカレスト発チューリヒ便が先月オーストリアのグラーツで緊急着陸した後、客室乗務員(23)が死亡した事件で、死因は酸欠だったことが分かった。複数のスイスメディアが報じた。

もっと読む スイス航空の緊急着陸 客室乗務員の死因は酸欠
署名の入った箱

おすすめの記事

国民投票に向けた署名がまたも偽造

このコンテンツが公開されたのは、 医療品の安定供給を求める国民投票に向けて集められた署名のうち、3600筆以上が無効な署名だったことが明らかになった。

もっと読む 国民投票に向けた署名がまたも偽造
エリック・ヘンニさん

おすすめの記事

スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

このコンテンツが公開されたのは、 1964年東京オリンピックで銀メダルを勝ち取ったスイス人柔道家のエリック・ヘンニ(Eric Hänni)さんが25日、86歳で死亡した。スイス柔道・柔術協会が発表した。

もっと読む スイスの柔道家エリック・ヘンニ、86歳で死去 東京五輪柔道銀メダリスト

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部