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脂肪吸引の父が語るスイス整形手術事情

「鼻の仕事」うまく行けばこうなる

(swissinfo.ch)

スイスの整形外科医、ウーリッヒ・ケーセリンク医師が、ローザンヌのクリニックで、世界で初めて脂肪吸引を施行してから30年近くが過ぎた。

スイスインフォとのインタビューで、ケーセリンク医師は、この間に整形手術がどのように行われてきたか、今後どのような未来が待っているのか語った。

ウーリッヒ・ケーセリンク医師は、脂肪吸引を世に生み出した整形外科医として、世界的に有名だ。ハリウッドから彼の元に飛んでくる映画スターもいる。                                                            

swissinfo: どうやって脂肪吸引を思いつかれたのですか。

1976年までにも実は同じようなことは行っていたのです。お腹に4cmの切り込みを入れて脂肪を破壊し、搾り出していました。そして切開口を洗い、また残っている脂肪を全て吸引除去するのです。

私はこの全てのプロセスを、複雑な手術などではなく、簡単な吸引で行うことをお勧めしていました。当初私たちは、カニューラと呼ばれる私の親指の太さほどの抽出チューブを使っていました。それからチューブはどんどん細くなり、今では小さな切開口で広範囲な皮下脂肪を除去しています。

1977年に私はこの技術を多くの医師の前でやってみせ、1978年に詳細を論文で発表しました。その後すぐに米国では私の技術がナンバーワンの方法として広まりました。

swissinfo: 脂肪吸引を行っているのは整形外科医だけですか。

現状では、皮膚科医から普通の外科医まで誰もが行っています。個人的にも脂肪吸引を行っている外科医を2人知っています。彼らは整形手術のことなど何も知らなくてもやっているのですが、何かが起こった時の対処については心配しています。

もし血液や脂肪を取りすぎた場合、出血多量死する可能性もあります。また、脂肪吸引しようと腹部に穴を開ける時に消化器官を傷つけて腹膜炎を起こすことも考えられます。

swissinfo: 患者はどうやって安全な医師を見つけられるのでしょう。

スイス整形手術学会に電話をして、認定を受けた整形外科医のリストを入手することです。このリストに載っている医師は皆、適正なトレーニングを受けています。

swissinfo: 手術が失敗することは良くありますか。

人々が考えるほど多くはありませんが、クレームは多いですね。全ての整形手術に関するクレームのうち、賠償問題にまで発展するのは4分の1くらいです。私のクリニックで何か問題があることはめったにありません。

swissinfo: 先生自身が脂肪吸引を行われているのですか。

数ある整形手術のメニューの1つとして行っています。けれども、希望者が多いので、私自身が全ての患者を担当することは不可能なため、3割近くのお客様はお断りしている状態です。また、年若い顧客が手っ取り早い方法として脂肪吸引をしたいと言ってきた時には、「そのようなことは決してするべきではない」と言うことにしています。

私が脂肪吸引するのは、リスクがほとんどないと判断した時です。私の評判にとってその方が良いのです。

患者は年を取りすぎていてもいけませんし、回復の早い皮膚を持っていなければいけません。少しばかり脂肪を取っても、完全に大丈夫な身体でなくてはいけません。10kgや15kg、標準体重をオーバーしたくらいの肥満は、この範疇に入りません。このような条件を満たさない身体から脂肪を取りすぎると皮膚は元に戻らなくなります。

swissinfo: 先生のクリニックではどのような手術が最も人気がありますか。

フェイスリフト(顔の皺やたるみを取る処方)でしょうか。脂肪吸引をしに来た患者にフェイスリフトを行ったのが最初で、その時私は25歳でした。そして、まぶたの手術を初めて行ったのは35歳でした。

整形手術を新しい服を買うのと同じように考えている患者もいますね。そのような人々は年ごとに身体をあちこち変えたがるのです。手術の結果に満足すると、やみつきになることがあります。

swissinfo: フェイスリフトの方法は進化していますか。

もちろん年々、かなりの進化を遂げています。けれどもメスで行う手術の進化はもう限界が見えていると考えています。これからはバイオ技術でしょう。最近では、ボツリヌス菌を肌に注入して皺を取るボトックスの例が有名ですね。過去15年間で、私たちはボトックスから非常にたくさんの事を学びました。

swissinfo: 皺取りなどで行われているフィラー療法については批判されていますが。

フィラー療法は、顔などの形や大きさを変えるために身体に物質を注入する方法ですが、数年経ってから患者の身体が拒否反応を示すことがあります。例えば、アクリル樹脂を顔に注入するとします。これが身体の新陳代謝にうまく適応できない場合、細胞はその異物を包み込んでいきます。これがでこぼこの肌となって患者の顔を変形させてしまいます。

整形手術に使う物質については、少なくとも10年は人間の身体で試験的に使ってみてから販売されるべきだと思います。


swissinfo ジュリー・ハント(ローザンヌにて)、遊佐弘美(ゆさひろみ)意訳

キーワード

脂肪吸引が最初に行われたのは1976年。しかし1980年代まで一般化はしなかった。
ウーリッヒ・ケーセリンク医師は、毎年500人から600人の患者に整形手術を行っている。ボトックスを注射して皺を取る療法は1回800フラン(約7万円)、顔のたるみをなくすフェイスリフトは1万4000フラン(約12万円)。

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補足情報

脂肪吸引の父と呼ばれるウーリッヒ・ケーセリンクは、ローザンヌに整形手術一般のクリニックを持ち、ホームレスからハリウッドスターまで幅広い層の患者を持っている。

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