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車はみんなで乗ろう

ヒッチハイクをする男の子と車を運転する女の子。この子たちも将来車のシェアをするだろうか

アイフォン ( iPhone ) を使って連絡を取り、車にほかの人を乗せてあげる新しい形の車のシェア組織「クラクション」がフランス語圏でスタートした。

今日世界中では1日5億台の車が走り、走行距離の年間総計は5兆キロメートルに達する。しかも1台の平均乗車人数は2人以下。この巨大な浪費に挑戦するため、スイスでも市町村や企業が車のシェアを推進しているが、なかなかうまく行っていない。こうした中、クラクションの新しい戦略とは何なのだろうか。

ふっと思いつく

 「私自身は車を持っていないが、もし持っていたとしても毎朝隣人を乗せ職場まで運んであげることになると、躊躇するだろう」
 とクラクション( Klaxonne ) を立ち上げたメンバーの1 人、ピエール・クルボワジエール氏自身がこう語る。

 車は、個人の自由や社会的地位などの象徴であり、また個人が所有する特別な空間だ。それを誰かと共有することは難しい。しかもそれが会ったこともない人となるとさらに難しいだろう。

 従って、クラクションが目指すのは、まず隣人を乗せることではない。ターゲットは、
「すでに他人を乗せた経験があって、しかもこうした車をシェアする考えに共鳴する人たちだ」
 とクルボワジエール氏は説明する。

 基本的に、クラクションは「誰かを乗せてあげようとふっと思いつくこと」によって成り立つ。思いついた瞬間連絡し、その時たまたま移動したいと思う人とうまくマッチすることで機能する。あくまで前もって計画されたものではなく、自由に「ふっと思う」ことが大切だ。

 そのため、クラクションの立ち上げには自由な雰囲気が漂う、ヴォー州キュリー ( Cully ) のジャズフェスティバルを利用した。次は大学のキャンパス、さまざまなコンサートなどで宣伝活動を続けていく予定だ。

X夫人は運転が上手

 「同じ方向に行くのならほかの人を乗せてあげようという、ふっとした思いつきを実行に移すにはどうしたらいいかという考えは、かなり前から頭の中にあった。アイフォンを手にしたとき、このテクノロジーでうまく行くと思った」
 とクルボワジエール氏は言う。

 現在、クラクションはSMSだけで機能している。しかし2カ月後には、アップル社のアイフォン利用者にはより完璧なサービスが提供される。

 つまり、同乗を提供したいと思い立った人は、走行地点をどこからどこまでかと示し、時間も指定する。同乗を希望する人も同じような情報を提示すると、コンピューターが二者を結びつける。しかし特に同乗の提供者には、
 「電話番号だけではなく、自分の写真とプロフィールを事前にクラクションのサイトに掲載しておいて欲しい」

「提供者は、参加することの責任を持つために自分が何者かをはっきりと示すべきだ。もし問題が起こった場合、クラクションの登録者だと確認でき、その人物を探し出せるようにしたい。また利用者も積極的に利用したときの感想を提供して欲しい」
 と言う。こうすれば、X夫人は運転が上手、Y氏はうるさい人、ないしは無口だがいい人といった、情報が事前に入手できる。

 「われわれのシステムの良い点は、前もって時間を決めたりする必要がなく、誰かがコーディネートしなくてもいいことだ。サイトに行ってリストを見、利用したい人の要求に合う提供が見つかれば、それでうまく行く」
 とシステムの完璧さにクルボワジエール氏は自信を持つ。
 
 クラクションは利益を追求しない、ただ環境問題を考える団体だ。しかも既存のさまざまな「車のシェア推進組織」を少し補えればそれで充分だと思っている。ただ、車に一人乗るのは、あまりに残念で、同乗する人の数が少しでも増えればいいと願っているだけだ。

swissinfo、マルク・アンドレ・ミゼレ、里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳

クラクション ( Klaxonne )

クラクションの立ち上げにはヴォー州キュリー ( Cully ) のジャズフェスティバルを利用した。

ジャズフェスティバルでの発表を聞いた後で8割が、良い考えだ、理想的だと賛成し、5割が自分も実行すると言い、実際に実行した人は1割だったとクルボワジエール氏は分析した。

これを数に直すと、提供者と利用者の総計が500人。その結果、およそ40のシェア運転が実行された。

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モビリティ ( Mobility )

車をシェアするほかの方法として、車を他人とシェアする「モビリティ ( Mobility ) 」がある。

ヨーロッパでの車のシェアの先駆者的存在で、11年来スイス中でこの組織のシンボルである赤い車のシェア営業をしている。

モビリティは会員制で、会員は年会費を払い、車を利用したい日を前もって連絡すれば、自宅に近い所で車を借りることができる。

スイスでは、連邦鉄道 ( SBB/CFF ) の年間割引パスを普段は利用し、車を使わざるを得ないときにのみモビリティを使うようにした場合に採算が取れる。

今日、会員数は8万5000人で、スイス中で2200台の車と1100カ所のパーキング場が用意されている。従業員は約160人で、総売り上げ高は5000万フラン ( 約43億円 ) 。

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