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クレディ・スイスのスイス法人が消失

UBSとクレディ・スイスのロゴが入った窓ガラス
Keystone / Jean-Christophe Bott

スイス二大銀行だったUBSとクレディ・スイスの現地法人の合併が1日、完了した。今後スイス国内でも「クレディ・スイス」の看板撤去が進むことになる。

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UBSの声明外部リンクによると、2行の合併は当局の承認を受け、1日に正式に完了した。これによりクレディ・スイス(CS)のスイス法人はチューリヒ州の商業登記簿からも抹消され、独立した法人としては存在しなくなった。すべての権利と義務はUBSスイス法人に移管された。

合併により、CSスイス法人で扱っていた顧客取引を段階的にUBSのシステムに移行できるようになる。移行は主に2025年に進める。

いずれ「クレディ・スイス」の看板はスイスからも消滅することになる。海外支店では昨年から看板の撤去が始まっていた。

ヘルフェンシュタインCEOは退任へ

UBSはCSスイス法人のアンドレ・ヘルフェンシュタイン最高経営責任者(CEO)が合併完了を受けて退任することも発表した。UBSスイス法人のザビーネ・ケラー・ブッセCEOは「UBSがCSを買収して以来、アンドレはCSの事業の安定化に多大な貢献を果たし、顧客と従業員のために精力的に働いてきた」と称えた。

今年5月末、両法人の親会社であるUBS株式会社とCS株式会社の合併が完了した。これによりCS株式会社が商業登記簿から削除された。6月初めには米国でも単一の中間持ち株会社への移行が完了した。

UBSは昨年3月19日にCS買収を発表し、同6月12日に正式に完了した。この日はスイス証券取引所でCS株が取り引きされた最後の日となった。

追加の人員削減を予定

正式合併により、スイスでの事業再編が本格的に始まる。UBSスイスのケラー・ブッセ氏は最近のインタビューで、統合後の国内支店は194カ所に抑えられると述べた。現時点でCSはスイス国内に95支店、UBSは190支店を抱える。

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UBSは2026年末までに世界全体で年間費用を2022年比で約130億ドル(約2.1兆円)削減する方針だ。スイスでは3000人の雇用を削減する。CSスイスの統合により1000人もの雇用が失われ、スイス国内の他の事業で働く2000人にも影響が及ぶ。

UBSは2026年までのグループ全体の雇用削減数を明らかにしていない。一部報道では、統合完了までに従業員数を8万5000人にする計画だとされる。2024年3月末時点ではフルタイム換算で11万2000人弱を雇用し、うち3割がスイスで働く。

買収が決まる前の2022年末時点で、従業員数は両行合計で約12万3000人だった。

英語からのGoogle翻訳:ムートゥ朋子

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