The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

EPFL、AI使った落雷予測技術を開発

lightning
毎年6千~2万4千人もの人が落雷で命を落とす Keystone

スイスの連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)は、人工知能(AI)を使って、半径30キロ以内に落ちる雷の場所と時間を10~30分単位で予測する技術を開発した。

雷は最も予測不可能ながら殺傷力の高い自然現象の一つだ。人や動物の死傷や家屋・森林火災をもたらすほか、航空機の離陸を妨げたり、電力設備に損害を与えたりすることもある。世界では毎年6千~2万4千人が落雷で亡くなっている。

だが雷が起きる正確な仕組みは謎に包まれたままだ。殺傷力のある電力は空中ではなく地上で放たれるが、それがどのタイミングで発生するかを事前に察知する技術はない。

EPFL工学部のファラド・ラシディ教授が率いる研究チームは、気候観測所から取り寄せた標準データとAIを組み合わせ、落雷を予測する方法を編み出した。研究結果は科学誌「気候・気象科学外部リンク」に掲載された。開発した予測技術はgenzai 

、落ちる前の雷をレーザーで誘導する欧州レーザー誘雷プロジェクト外部リンクへの活用が検討されている。

早い安い凄い

新技術の開発に加わった博士課程のアミルホセイン・モスタジャビ氏は、「これまでの仕組みは遅いうえにとても複雑で、レーダーや衛星で取得する高価な外部データが必要だった」と説明する。「我々が開発した方法はあらゆる気象観測所から取得するデータを使うため、レーダーや衛星の範囲外や通信ネットワークが利用できない遠隔地もカバーできる」

またデータは簡単にリアルタイムで取得できるため、速やかな予測計算が可能だ。嵐の発生前でも警報を発することができる。

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部