世界の電子商取引は伸びる
国連貿易開発会議(UNCTAD、本部;ジュネーブ)は20日、2003年版「電子商取引と開発」レポートを発表した。それによると、情報技術(IT)への投資が2001年以来、6,2%減ったにも関わらず、2002年の電子商取引額は11%増加した。
世界の多くの企業は企業間取引や消費者販売に電子商取引を利用する傾向にあり、途上国ではインドなどで発達しているアウトソーシング(Outsourcing)やコーヒーや紅茶など農業産物のオンライン取引(Online Marketing)が将来、伸びると分析している。
電子商取引の割合
2003年の電子商取引の総額は1兆4千億万�j(約152兆円)から3兆9千万�j(約419兆円)と見込まれるが2006年には12兆8千万�j(約1380兆円)に伸びると予測している。
地域別の割合を見てみると電子商取引の95%は先進国で行われており、アフリカ諸国はラテンアメリカ諸国と合わせても1%に満たない。電子取引の95%が企業間取引に当たるが日本では2003年の企業間取引は558億円相当と予測されている(電子商取引実証推進協議会より)。
インターネット利用者
また、レポートによると電子取引の前提となるインターネットの利用者は2001年から20%も増加し、2002年には5億9千万人になった。アジアとアフリカ諸国で30%以上も伸びを記録、地域別の内訳はアジアが34%、欧州が28%、北米が29%となっている。日本の利用者は17%増の5万7千人で人口1万人あたりでは4493人、で韓国の5519人や米国の5375人よりやや少ない。
IT開発への課題
同報告では途上国の電子商取引の利用はまだ十分でなく、各国政府が取り組むべき課題として低料金でアクセスできる政策やブロードバンドなどのインフラ整備、安いソフトウエアの使用などを呼びかけている。また、先進国の大企業の50%は途上国にIT関連産業の下請けを依託するアウトソーシングを行っており、今後もこの傾向が伸びるだろうと見ている。
スイス国際放送、 屋山明乃(ややまあけの)
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