スイスの金融市場で重要な役割を占めるSIXグループに、独占禁止法違反があったとスイス行政裁判所が判決を下した
Keystone
スイス連邦行政裁判所は22日、スイス証券取引所を運営するSIXグループが支配的市場地位を乱用したとして700万フラン(約7億6千万円)の課徴金支払いを命じた。
このコンテンツが公開されたのは、
行政裁によると、独占禁止法違反があったのは2005~07年。課徴金はSIXグループと元子会社のSIXペイメントサービスの双方に課された。ペイメントは18年11月に仏ワールドラインに売却外部リンクされており、SIXグループは「課徴金の支払いはワールドラインに一任されている」とスイス通信にコメントした。
2005~07年にクレジットカードに新しいセキュリティ機能が導入され、対応する決済端末を設置しない加盟店は、カードが悪用された場合に法的責任を問われることになった。加盟店は新端末を設置せざるを得なくなり、カード決済市場における支配的地位の乱用があったと認定された。
今後の判例に
スイス公正取引委員会が2010年にSIXペイメントに課徴金支払いを命じたのに対し、SIXグループが反論。行政裁に持ち込まれた。行政裁は今回、約60点の法的な争点について結論を出した。うち約20点は今後の裁判の指針となる判例を確立した。判決は「独占禁止法におけるいくつもの論点に関して、裁判がこのように解答を出している」と締めくくった。
ただ行政裁の判決は最終決定ではなく、SIXは連邦最高裁判所に上訴できる。SIXペイメントはswissinf.chの取材に対し、「判決を精査し終えるまで、次の手続きは未定」と答えた。
おすすめの記事
スイスで人気の赤ちゃんの名前、1位はエマとノア 2024年統計
このコンテンツが公開されたのは、
2024年の赤ちゃん名づけランキングで、女の子は「エマ」、男の子は「ノア」が1位を獲得した。
もっと読む スイスで人気の赤ちゃんの名前、1位はエマとノア 2024年統計
おすすめの記事
スイスの政治
スイス・ゲスゲン原発、再稼働はさらに半年延期
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北西部のゲスゲン原子力発電所の運転再開がさらに6カ月間遅れることになった。定期検査が行われた5月下旬以降、発電を停止している。
もっと読む スイス・ゲスゲン原発、再稼働はさらに半年延期
おすすめの記事
スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府のイグナツィオ・カシス外相は19日、ウクライナ情勢を巡る和平交渉について、スイスはロシアとウクライナの首脳会談を開催する「準備は万全」と述べた。
もっと読む スイス、ロシア・ウクライナ首脳会談の「準備は万全」
おすすめの記事
職場
スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの時計大手スウォッチはつり目ポーズのモデルを使った広告を謝罪し、撤回した。中国を中心に人種差別的だとの批判が出ていた。
もっと読む スウォッチ、「つり目」広告を撤回 人種差別と炎上
おすすめの記事
世界貿易
トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
このコンテンツが公開されたのは、
スイスに対し39%の関税を発表する前日の7月31日、ドナルド・トランプ大統領がカリン・ケラー・ズッター大統領との電話会談で、米国への「投資」ではなく直接的な金銭支払いを要求していたことが分かった。大衆紙ブリック日曜版が報じた。
もっと読む トランプ氏、スイス大統領に金銭支払いを要求 関税発表前日の電話会談の詳細が明らかに
おすすめの記事
文化
ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
このコンテンツが公開されたのは、
スイス南部で開催されたロカルノ国際映画祭で、三宅唱監督の「旅と日々」が最高賞にあたる金豹賞を受賞した。
もっと読む ロカルノ映画祭、三宅唱監督「旅と日々」に金豹賞
おすすめの記事
宇宙研究
国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
このコンテンツが公開されたのは、
日本製とドイツ製のロボットが、国際宇宙ステーション(ISS)で「宝探し」をして遊んだ。スイス・ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU)もこの実験に貢献した。
もっと読む 国際宇宙ステーションでロボットが「宝探し」に成功 スイスも貢献
おすすめの記事
スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)が、新フラン札のデザイン案12点を発表した。来月7日まで、インターネット上で一般投票が行われる。
もっと読む スイス中銀、新紙幣デザイン12案発表 一般投票募る
おすすめの記事
気候適応
ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
このコンテンツが公開されたのは、
ジュネーブ州では13日、バスやトラム(路面電車)など公共交通機関が終日無料となった。オゾン濃度が急増したことへの対応で、スイスでは初めての措置だ。
もっと読む ジュネーブ州、バス・路面電車を13日のみ無料に オゾン濃度が急増
おすすめの記事
スイスで記録的暑さ 政府が警告
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで全国的に気温が上昇し、猛暑への警戒が強まっている。11日にはスイス西部と南部ティチーノ州の一部地域に対し、熱中症など健康被害を受けるリスクが大きい「危険度3」の警報が発令された。
もっと読む スイスで記録的暑さ 政府が警告
続きを読む
おすすめの記事
スイス証券取引所が暗号資産時代に焦点を合わせるわけ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス証券取引所が仮想通貨など暗号資産取引へのシフトアップを図っている。時代を先取るこの波に乗ろうとしている取引プラットフォームは数多い。その背景を探ってみた。
もっと読む スイス証券取引所が暗号資産時代に焦点を合わせるわけ
おすすめの記事
中国のマルチ商法販売員1万2千人がスイスへ スイスはどう見る?
このコンテンツが公開されたのは、
1万2千人の中国人が今月、報奨旅行でスイス観光を満喫中だ。だが旅行を企画した米企業はそのビジネスモデルが問題視されている。スイスはこうしたマルチ販売企業をどうみているのだろうか?
もっと読む 中国のマルチ商法販売員1万2千人がスイスへ スイスはどう見る?
おすすめの記事
薬価設定の透明性をどうするか 高まる圧力に悩む製薬業界
このコンテンツが公開されたのは、
20日、スイス・ジュネーブで始まった世界保健機関(WHO)の総会で、イタリアから出された決議案が注目を集めている。それは高額な薬価設定や医薬品市場の透明性を高めるよう求めた内容だ。日本でも高額な白血病の新薬が話題になったが、この決議案は旧来の医薬品業界に風穴を開けるのか。
もっと読む 薬価設定の透明性をどうするか 高まる圧力に悩む製薬業界
おすすめの記事
スイス最高裁、ファルコンバンクの収益没収処分を支持
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦最高裁判所は12日、ファルコン・プライベートバンクがマレーシアの政府ファンド汚職疑惑をめぐる収益没収処分を不服とした申し立てを棄却した。
もっと読む スイス最高裁、ファルコンバンクの収益没収処分を支持
おすすめの記事
スイス最大のネット通販サイト 仮想通貨決済を導入
このコンテンツが公開されたのは、
スイス最大のネット通販企業ディジテック・ギャラクサス(Digitec Galaxus)が19日から、オンラインショップでの仮想通貨決済を導入した。同社は昨年、10億フラン(約1100億円)の売上高を記録した国内最大の小売企業。仮想通貨の受け入れを決めた小売企業の中では最大となる。
もっと読む スイス最大のネット通販サイト 仮想通貨決済を導入
おすすめの記事
アップル、他社決済アプリのために技術改善
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの公正取引委員会は18日、米アップルが同社製品でもスイスのスマートフォン(スマホ)用決済アプリTWINT(トゥウィント)を使えるようにするべく、技術的な問題の解決を目指すことに同意したと発表した。
もっと読む アップル、他社決済アプリのために技術改善
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。