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「スイス」上半期74%の減益

再び上昇飛行する日はいつ訪れるのか Keystone

スイスの航空会社「スイス・インターナショナル・エアラインズ」は親会社の「ルフトハンザ」 ( ドイツ ) 同様、経済危機による不景気に苦しんでいる。7月30日の発表によると、今年上半期の利益は前年同期比の74%減、6億5000万フラン ( 約570億円 ) まで縮小した。

売上は17%減の21億2000万フラン ( 約1860億円 ) 。減益の理由として、世界的な不景気とそれに伴う需要の後退が挙げられている。

航空業界に吹き荒れる嵐

 さらに、今年初めからおよそ倍に値上がりした原油価格や顧客のプレミアムシート離れも輪をかけているという。「スイス ( Swiss ) 」の最高経営責任者 ( CEO ) であるハリー・ホーマイスター氏はコミュニケの中で
「航空業界の厳しい状況から逃れることはできない」
 と述べている。

 親会社であるルフトハンザ ( Lufthansa ) の今年上半期の業績はすでに29日に発表済みだ。それによると、同社は2億1600万ユーロ ( 約290億円 ) の損失を計上。前年同期には3億8100万ユーロ ( 約510億円 ) の利益を上げていた。売上も前年の121億ユーロ ( 約1兆6000億円 ) から102億ユーロ ( 約1兆4000億円 ) に減少した。

チェックインの機械化

 「スイス」はまた7月30日、離陸までの待ち時間を短縮するために、エコノミー客を対象にしたセルフチェックイン・システムを導入した。慣れない乗客に説明をするため、チューリヒ空港に置かれたセルフチェックイン機のそばには「スイス」の社員が待機している。だが、このような機械をまったく苦手とする人は、これからも第3チェックイン・カウンター ( Check-in 3 ) を利用することができる。

 空港内に設置されたセルフチェックイン機は合計32台。「スイス」の広報員ユルク・ディナー氏によると、チェックイン・カウンターはこれ以後、機内預け用荷物のカウンターや案内デスクに機能替えされ、社員が解雇されることはないという。
「目的は、同じインフラでより多くの乗客のチェックインを済ませること。だが、セルフチェックイン機の導入で待ち時間が大幅に削減されるため、これは乗客にとってもメリットとなるはず」
 10月末にはこのシステムの試験期間が終了し、チェックインカウンターの最終的な閉鎖を検討する予定だ。

 チューリヒ空港には10年前からセルフチェックイン機が置かれており、乗客は好みによって自分でチェックインを済ませることができた。当時の目的は、手荷物しか持っていない乗客がチェックインカウンターの列に並ばなくてもよいようにすることだった。

 現在使用されているセルフチェックイン機は2006年9月に導入されたものだが、
「これまでにも乗客の2人に1人はこの機械かインターネットを使ってチェックインしていた」
 とディナー氏は言う。そして、こう付け加える。
「乗客全員がチェックインカウンターに並んでいたら、混雑時にはきっと道路まで列がはみ出してしまいますよ」

swissinfo.ch、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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