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19世紀の手法で家を建てる

19世紀には電動工具はまったくなかった。チームワークが大切 swissinfo.ch

工業化される以前に作られた住宅は簡素だが、近代的な家よりしっかりしていて長持ちする。スイスの伝統的な家を一カ所に集めたバーレンベルク ( Ballenberg ) 屋外博物館で、昔ながらの手作りの家が建てられている。

このコンテンツは 2006/08/03 15:25

現場では電動工具を一切使わない。19世紀に畑を耕して生活していた作男が住むような家が、大工の親方、ヘルメス・テニさんの指導の下に建てられている。当時の技術の知識は当然必要だが、体力と筋力のいる作業でもある。

まず、19世紀の建築技術を知る大工を集めるのが大変だったと博物館のノルベルト・シュミット氏は語る。太い梁を大斧で細工できる人は今は非常に少ない。現在は、電動のこぎりで簡単にしかも正確に切るのが普通だからだ。

知識の伝達が目的

若い頃、山奥で家を建ててきた大工の知恵がこの際、非常に役立ったという。こうした技術は、昔は秘伝であり、段々と次世代に伝授されることもなくなっていった。しかし今は昔と違い、こうした技術を後世に伝えようとする大工が増えている。そのおかげで、博物館の企画も実現できたのだという。

博物館の企画の話を聞き伝え、遠くから多くの大工が集まってきた。宿泊費と食事が出るだけで給料は払われないが、昔の技術を学びたいと望む熱心な大工たちだ。伝統技術の伝承は、博物館の意図でもある。「そのためには、実際に家を建てるのが一番」とシュミット氏は言う。

良い意味でのリサイクリング

今建てられている家には暖房のためのストーブも作られるが、ほかに家具は置かない。戸は金具で補強し、錠前もつける。屋根は今のところ、まだ掛けられていないが、一部はワラ、一部はスレートで葺くことになる。「19世紀でもいろいろな技術があったのだと知ってもらうためです」とシュミット氏。

仕事は焦らずじっくりと進む。しかも、午後は早めに切り上げ、2時間ほど見学者の説明に当てるので、完成するまでにはまだまだ時間がかかるという。

バーレンベルク屋外博物館にある家は、すべてオリジナル。今回の企画で建てられる家は、最終的には取り壊される。博物館のコンセプトに合わないからだ。ただ、希望者が現れそのままそっくり移転できれば「理想的なリサイクリングになります。問題なく住めるようになっていますから」とシュミットさんは言う。

これからのバーレンベルク屋外博物館

現在、バーレンベルク屋外博物館にはスイス全土から集められた100軒の家が建っている。
「ないのは学校の建物とグラウビュンデン州の家くらいなものです」とシュミットさん。スイスの田舎に建つ家すべてを網羅するのが屋外博物館の目的だが「あと15年ほどでその目標は達成するでしょう。家を自然と一体化して展示することに気を使っています。わたしたちは自然も展示の対象として見ています」と言う。

バーレンベルク屋外博物館は、埃の被った展示物が並んでいるような博物館ではない。見学者は実際に家に入り、居間、キッチン、寝室を見て回る。家の中では、かご編みの技術、樽作り、織物、レース編み、薬草作りなどの昔ながらの技術も紹介されている。家畜もいれば、絶滅寸前の植物も大切に植わっている。

swissinfo、エティエン・シュトレーベル 佐藤夕美( さとう ゆうみ )意訳

補足情報

<バーレンベルク屋外博物館>
- 1978年、10軒の家を集めて開館した。
- 現在は66万平方メートルの広さまで拡大。スイス全土から集めた100軒の家が
建っている。集めた家はその土地で維持できなくなってしまったもので、一度解体して博物館で再建されたもの。
- 家のほかに、家のあった地方の絶滅寸前の植物なども植えている。鶏など家禽類、ウサギ、ヤギ、ヒツジといった家畜のほか、ミツバチも飼われている。
- 木彫、帽子作り、刺繍、かご作り、紡ぎ、銅加工など、昔ながらの技術のデモンストレーションもする。

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