Keystone / Urs Flueeler
クレディ・スイス(CS)グループは、投資銀行業務を縮小し、ウェルスマネジメント部門を手厚くする。
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リストラにより、アルケゴス・キャピタル・マネジメントとグリーンシルとの取引で今年発生した巨額損失問題に1つの幕引きを図る。
CSが4日発表した声明によると、同行はアルケゴス問題の浮上以来、ヘッジファンドやファミリーオフィスに金融サービスを提供するプライムブローカー業務の大部分を廃止し、投資銀行からウェルスマネジメント部門に資本約30億ドル(約3400億円)を移している。また部門を4つに再編成し、単一のウェルスマネジメントユニットを立ち上げる。
ブルームバーグによると、アルケゴスやグリーンシルによる損失で数十億ドルの利益が吹き飛び経営危機に瀕したCSはリスク・コンプライアンス責任者のララ・ワーナー氏の辞任など経営陣を刷新。アントニオ・オルタオソリオ会長は4月の就任以来、業務体制を抜本的に見直してきた。リスクの高い業務を減らして安定したリターンを優先するため、投資銀行を縮小してウェルスマネジメントに注力する。
オルタオソリオ会長は声明で「リスク管理は我々の業務の中核であり、説明責任と責任の重要性を強化する文化を育むのに役立つ」と述べた。
CSは経営目標を見直し・追加した。有形株主資本利益率(主要な収益性指標)を「中長期で10~12%」としていた目標を「10%超」に変更。今年自社株買いを停止したのを踏まえ、22年の利益分配率を25%とした。
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