スペイン 脱税者に最後通告
2008年末、HSBC銀行のジュネーブ支店の元従業員が顧客の情報を盗みフランス当局に売却した事件で、その情報がスペイン当局に渡っていたことが、6月24日のスペインの新聞の報道で分かった。
スペインの国税局は3000人がこのデータを元に脱税していることを突き止めたという。
財政再建と脱税摘発
3000人の預金額は合計60億ユーロ ( 約6600億円 ) に上るとマドリードの日刊新聞「エル・パイス ( El País ) 」の電子版が6月24日、報道した。口座の名義人は6月30日までに利子も一緒に納税するよう通達されたが、期限は7月5日まで延期されたという。
脱税者の情報はフランス当局から譲渡されたもので、HSBC銀行のジュネーブ支店から入手したCDのデータを元にした情報だという。
「情報を入手した関係者からの話によると、期限を短く設定したのは2005年と2006年分の脱税を即急に回収するためだ」
とエル・パイスは伝えている。スペイン当局はこの報道に対して肯定も否定もしなかったという。
エル・パイスはさらに
「スイスは何年もの間、脱税天国だった。巨大な金額になる預金に課税されなかった上、特に銀行の守秘義務によって脱税が守られていた。しかし、この守秘義務も今年になって一部撤廃され、スイス政府も要請があれば情報を提出するようになっている」
と報道した。
スペインは現在、財政再建を最優先事項として掲げ、脱税の摘発に力を入れている。
swissinfo.ch、外電
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