原油流出事故の掘削施設会社 純利益減少

メキシコ湾岸の原油流出事故で、イギリスの国際石油資本BPの油田掘削施設建設を請け負ったスイス企業「トランスオーシャン 」の第2四半期の純利益が、前年同期比で11.3%減少したと8月4日発表された。
しかしスイス株式市場では、8月5日の同社の株価は上昇。油井を上部から封鎖し原油流出の食い止めに成功したことが、この株価上昇を促したと見られている。
純利益、総売上高共に減少
スイスのツーク州に本社を置き、米テキサスにオペレーション支社を持つ「トランスオーシャン ( Transocean ) 」の第2四半期の純利益は、7億1500万ドル( 約615億円 ) で、前年同期比で11.3% 減少。また、第2四半期の総売上高も250万ドル ( 約2億1500万円 )で、前年同期比で13.1% 減少した。
しかし同社の発表によれば、保険会社が賠償した保険総額2億6700万ドル( 約230億円 ) のお陰で、メキシコ湾岸の原油流出事故での損害は賄われたという。
さらに、8月5日のスイス株式市場では、原油流出の食い止めに成功したニュースで株価は上昇傾向を見せている。
BPの油田掘削施設建設を請け負ったトランスオーシャンは、油井の入り口の安全弁の管理に責任を負っていた。現在、アメリカ政府による事故原因調査が進行中だが、同社は「原油流出の原因は自社の責任ではない」と主張している。
今回の原油流出は、アメリカの歴史で最大規模の事故となり、総量7億8000万リットルの原油が流出した。
外電、swissinfo.ch

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