Navigation

日・スイス経済連携協定、環境問題でも協力

Keystone

「日本・スイス経済連携協定 ( EPA ) 」の交渉が開始されておよそ6カ月。交渉団は両国を行き来しながら日本での第3回会合を10月に終え、11月26日からスイスで第4回会合をスタートさせる。

このコンテンツは 2007/11/26 15:25

スイスの交渉団を率いる、ルツィウス・ワセシャ主席交渉官に交渉の成り行きなど、インタビューした。

2007年1月、スイスと日本はEPA交渉開始に合意し、5月に第1回会合を行った。その後、交渉団はおよそ2カ月ごとに両国を行き来しながら、交渉を進めている。交渉分野は、モノ、サービスの貿易、投資、知的財産権保護、関税手続きなど広範囲に渡る。スイス側のルツィウス・ワセシャ主席交渉官は、連邦経済省 ( EDV/DFE )、世界貿易機関 ( WTO ) スイス政府代表部の大使も務める。

swissinfo : EPA交渉はいつ終わる予定ですか?

ワセシャ : 日本の交渉団がスイスに来て、11月26日から第4回目の会合が始まります。計7~8回の会合を予定しているので、2008年の夏の終わりに、交渉は終わると思います。

swissinfo : 当初の予定より少し遅れているようですが。

ワセシャ : 横浜での前回会合で、環境に関する深い考察が行われました。 WTO に「貿易と環境」というプログラムがあります。それは「貿易を促進させるための環境対策」、ないしは「環境を保護するための貿易対策」を模索するものです。ドーハ・ラウンドにも、二酸化炭素 ( CO2 ) 排出を抑えて作られた生産物には関税を下げるという具体策があります。

日本とスイスの共通の考えは、こうした生産物の関税撤廃を行うことです。パイオニア的なWTOへの提案です。

これは、今回の2国間の協議で問題になっているわけではありません。いずれにせよEPAでは工業製品の関税は完全に撤廃されますから。

一方両国の環境問題に関しては、環境を尊重した生産物の検査基準などで協力できるのではないかと考えています。一方の国の基準が高ければ、他方の国が改善できるように援助し、さらに両国の専門家同士の対話によって、一方の国で検査を受け合格した生産物は他方の国でも認めるといったことを行おうと考えています。検査には膨大な費用がかかりますから。

swissinfo : 農業分野では、両国ともWTO の同じグループに属していることですし、問題はないと思いますが、何か困難な点がありますか?

ワセシャ : 日本の食品安全の管理規則は非常に厳しい。アメリカからの牛肉輸入問題を見ての通りです。スイスの干し肉の輸出も、狂牛病以来完全にストップの状態です。またチーズも日本はアングロサクソン系のチーズに慣れているため、スイスからの生ミルクのチーズは安全ではないと見なされています。美味なので、非常に残念です。したがって今後、両国の専門家が食品安全の規則に関して信頼関係を作り上げていくことが重要だと思います。

swissinfo : 投資分野ですが、EPAの締結後、日本からどのような企業の入植を予想されていますか?

ワセシャ : スイスにはドイツから、ロジスティックス、アフターサービス、研究関連の中小企業が、アメリカからは、金融、投資そしてやはりロジスティックス関連の大型企業が多く入植しています。日本からもロジスティックス関連の企業が入植すればいいのではと思っています。

横浜には輸送用の車の車庫が並びますが、今日配送は手順が単純化してきています。車や、電気製品など、スイスを集配所にし、ヨーロッパ人の好みに合うよう一部の部品を交換し、欧州連合 ( EU ) の市場に流すのです。スイスはヨーロッパの中心にありながら、EU のメンバーでない点をを利用すべきです。

swissinfo : では、スイスから日本にはどのような企業が入植するのでしょうか?

ワセシャ : 日本はスイスの中小企業にとって将来重要な場所になることは確かです。日本が中国マーケットへのアクセス拠点になることも考えられています。スイスの中小企業が直接中国に入植するのはリスクが大きすぎる。現在、香港や台湾から中国にアクセスしていますが、今後は日本からということも増えるでしょう。日本には中国市場に詳しいコンサルタントも多くいますし。

企業別では、健康分野や、ロボット工学関係が、日本に入植したらよいと考えています。日本はロボット工学に強く、一方スイスはロボットの部品、便利で合理的にできた部品製作に非常に秀でています。この2つの国が協力すれば、さらに進んだ新しいものが作り出せると思います。

また両国とも高齢化が進んだ国で、健康問題は重要な分野。しかも両国とも万能細胞の発見など、医療分野での研究開発が非常に進んでいる。従って、この分野でも双方の創造力を統合し、すばらしい協力関係を築き上げられると確信しています。

swissinfo 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )

補足情報

ルツィウス・ワセシャ主席交渉官略歴

1946年、ベルンに生まれる。故郷はグラウビュンデン州

1980年、ローザンヌ大学法学部で博士号取得

1984~1987年、関税および貿易に関する一般協定 ( GATT ) と欧州自由貿易連合( EFTA )のスイス代表部の大使顧問

1997年、世界貿易機関 ( WTO ) の特別グループのメンバー

1999年、大使就任

2007年、EFTA、WTOスイス政府代表部大使、日本・スイス経済連携協定 ( EPA ) のスイス主席交渉官

End of insertion

この記事は、旧サイトから新サイトに自動的に転送されました。表示にエラーが生じた場合は、community-feedback@swissinfo.chに連絡してください。何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願いします

共有する

この記事にコメントする

SWIアカウントをお持ちの方は、当社のウェブサイトにコメントを投稿することができます。

ログインするか、ここで登録してください。