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要求の高い顧客のための銀行

アルフレド・ギシ氏は、スイスの金融業界の将来に期待を持つ BSI

スイス・イタリア銀行 ( Banca della Svizzera Italiana ) の最高経営責任者 ( CEO ) 、アルフレド・ギシ氏はスイス外資銀行協会の会頭でもある。

このコンテンツは 2010/05/08 15:30

このほどギシ氏はスイスインフォ対し、銀行の守秘義務について、UBS銀行スキャンダル後のスイスの印象について語った。

swissinfo.ch : 脱税のためにスイスの銀行に預金をしている人を、掘り暴く目的でイタリア政府が敷いた脱税恩赦政策をきっかけとして、スイスでは銀行の守秘義務が撤廃されても、スイスの銀行の魅力はあるだろうという意見が出ています。それは、どのような魅力でしょうか。

ギシ : スイスには多くの有利な点があります。スイスは、人の権利と個人のプライバシーを保護する民主主義の国です。さらに銀行制度は、まず顧客ありきであって、商品重視ではないことも挙げられます。また、国際的な観点も忘れてはなりません。スイスは全世界の金融市場で取引があります。スイスの金融業界で働く人たちは高い教育を受け、世界に通用する人たちです。

守秘義務が撤廃されたなら、脱税を考えるような顧客はスイスから失われていくでしょう。

swissinfo.ch : 銀行の守秘義務の将来をどう思いますか。

ギシ : 銀行の守秘義務という表現は、誤解を招きます。この言葉は二つの違った事柄全体を網羅していると思うのです。一つはプライバシー保護。すべての人がその権利を持っているもので、スイスの基本法でも保護されているものです。もう一つは国家間での申し合わせで、不正行為のためにプライバシーの保護の権利を悪用することを防ぐための義務という意味もあります。

これまでスイスは、インサイダー取引に代表される国際協力については、成功してきました。一方、脱税についてはまだ解決法がありません。プライバシーを保護しながら、不正を効果的に防ぐ方法です。これについては、経済協力開発機構 ( OECD ) の基準、つまり税に関する政府間の協力や、銀行が顧客の代理として納税する方法などがあります。

swissinfo.ch : UBSのスキャンダル以降、スイスのイメージは悪くなりましたか。

ギシ : UBSスキャンダルで、スイスのプライドは深く傷つけられました。しかし外国におけるスイスのイメージが大きく下がったということはありません。特異な事件のために、スイスは基本的にはその尻拭いをさせられているということではないでしょうか。

スイス人は、ほかとは違うという当然持ってよい誇りを大切にしてきましたし、守ってきました。スイスは第2次世界大戦以来、ほかのヨーロッパ諸国と比較し、経済的に飛躍しました。同時に、社会的にバランスがとれ、実際機能する連邦制を守ったのです。

こうしたことすべてが、国境を超えた欧州連合 ( EU ) からスイスを遠ざけてしまったわけです。冷戦以後スイス以外の国々の関係は変化していきましたが、スイスはほぼ変わることがなかったのです。また、スイスでは金融業界、食品業界、化学・医薬品業界といった経済のさまざまな業界が台頭してきたことで、他国から嫉妬されたのです。スイスの態度はしばしば、傲慢だと受け取られました。というのも、スイス人はスイスが歩んできた道に自信があり、それを好んでアピールし、他国もスイスに倣うようにと望んだからです。

アンドレア・クレメンティ、swissinfo.ch
( 佐藤夕美 訳 )

イタリアの脱税恩赦の終末

今回の恩赦は近年3度目となる。イタリア国税局が出した脱税恩赦は、4月末に期限が切れた。脱税恩赦により、スイス、ティチーノ州の金融業界に及ぼされる影響が懸念されていたが、イタリアへ流出した資金総額はおよそ250億ユーロ ( 約3兆1000億円) とその影響はさほど大きなものではなかった。
イタリア国立銀行はイタリアで、今年2月中旬までに恩赦の対象となった資金額は、 850億ユーロ ( 約10兆5000億円 ) だった。そのうち600億ユーロ ( 約7兆5000億円 ) はスイス から申告されたもので、実際にイタリアには250億ユーロ ( 3兆1300億円 ) が戻って行った。残りは、法的な返却がなされ、実際にはスイスに残っているものだ。多くのスイスの銀行はイタリアにある支店を資産の受け皿としたり、法的にスイスへ返還という形を取ったりして資金の流出を防いだと、ティチーノ州銀行協会会長のフランコ・チッテリオ氏はスイス放送協会のイタリア語放送で明かしている。詳しい数字は把握できないものの、イタリア国立銀行の資料をもとにしているという。
イタリアのジュリオ・トレモンティ財務相は、ルガノ市の金融業界をすっかり干してしまうつもりだと発言した。
2001年からいままで、イタリア政府の脱税恩赦は3回あったが、ティチーノ州の金融業界の利益は昨年、増加している。スイス・イタリア銀行 ( BSI ) は1.8%増で1億300万フラン ( 約90億円 ) を計上した。流出した資金は、新規顧客の開拓と好調な市場により相殺された。

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