The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

高齢化が国の繁栄を妨げ?スイスで調査

高齢者
就労を希望する高齢者は増えているが、企業からは敬遠されがちだ Christof Schuerpf

スイスは、高齢者の雇用機会を増やし、労働の生産性を高めなければ、高齢化によって国の繁栄が鈍化するー。スイス連邦経済省経済管轄局(SECO)がこんな調査結果を出した。

調査外部リンクによると、国内人口の年齢の中央値は1970年の32歳から43歳に上昇。現在の出生率では、2060年までに48歳まで上昇する見込みだ。移民の増加は影響がほとんどないという。

SECOは政界に対し、高齢者の労働市場参加を促進するよう求めた。また、国の成長が鈍化しないよう、すべての年齢層で仕事の生産性を上げる必要があるとも述べた。

専門家は、2030年までに労働市場で最大50万人の雇用不足が生じると予測。会計事務所デロイトは、50~64歳の1000人を対象に行った調査外部リンクを発表。40%が定年後もフルタイムで働きたいと思っていることが分かったという。

働きたい

デロイトの調査によると、65〜69歳の就労者は全体の23%で、経済協力開発機構OECDの平均27%を下回る。定年後も働きたいと答えた40%の人たちに仕事が見つかれば、57万8千人の労働力増につながる。

ただし、多くの人(30%)は、雇用主が高齢者を雇うのをしり込みするため、働きたくても仕事が見つかる望みが薄いと答えた。退職者の約46%は、希望に反して仕事を辞めさせられたという。

スイスの年金受給開始年齢(定年)は男性が65歳、女性が64歳。連邦政府は今年初め、女性の定年を段階的に65歳へ引き上げ、定年を超えても就労する人にはインセンティブを与える計画を発表した。日本の国民年金に当たる老齢・遺族年金制度(AHV)の財政難を改善するための措置だ。

おすすめの記事
高齢者

おすすめの記事

海外在住の日本人 老後にどんな不安を感じている?

このコンテンツが公開されたのは、 世界には135万人の日本人が国外で暮らす。かつて高齢者が住みやすいランキング1位に輝いたスイスであっても、日本人にとっては全くの異国の地。海外の日本人たちは、老後に関してどんな不安を抱えているのだろうか。

もっと読む 海外在住の日本人 老後にどんな不安を感じている?

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スイス公共放送協会

おすすめの記事

スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も

このコンテンツが公開されたのは、 スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。

もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
財布

おすすめの記事

スイスでは現金のチップが主流

このコンテンツが公開されたのは、 スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。

もっと読む スイスでは現金のチップが主流
プラタナス

おすすめの記事

プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究

このコンテンツが公開されたのは、 スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。

もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部