クレディ・スイスは、最富裕層の顧客のため数億ドルを回収しようとしている
© Keystone / Michael Buholzer
スイスの金融大手クレディ・スイス・グループが先週、ソフトバンク・グループを相手取り、4億4千万ドル(約580億円)の係争を巡る正式な法的手続きを開始する許可を英国の高等裁判所に申し立てた。英経済紙フィナンシャル・タイムズが11日、報じた。
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同紙によると、係争は英金融会社グリーンシル・キャピタル(昨年3月に経営破綻)が米建設会社カテラに融資したクレディ・スイスの顧客資金を巡るもの。カテラはソフトバンクグループの傘下ファンドが支援していた。閉鎖したグリーンシル関連ファンドについて資金回収を進めるクレディ・スイスは、顧客への償還資金として数億ドルを回収したい考えだ。
グリーンシル・キャピタルは昨年3月、詐欺疑惑を受け経営破綻。その後、カテラは10億ドル超の負債を抱えて破産申請した。
クレディ・スイスは昨年、カテラからの未回収資金を巡り、ソフトバンクとその他の関連会社に対し英国で起こす訴訟の準備に必要だとして、米国の裁判所に関連情報を求める請願書を提出した。
クレディ・スイスとソフトバンクは、ロイターの取材に対し、コメントしなかった。
英語からの翻訳・宇田薫
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