フランス、ドイツからの越境労働者が、ユーロ建てで得た給料がフラン高・ユーロ安で目減りしたとして雇用主のスイス企業に補填を要求していた
Keystone
スイス連邦裁判所は、従業員にユーロで給料を支払う企業は、為替変動でフランでの支払額より目減りしてしまった場合でも、差額を穴埋めする必要はないとの判決を下した。
このコンテンツが公開されたのは、
シャフハウゼン州とジュラ州にあるスイス企業2社は、それぞれドイツ人とフランス人の越境労働者と2011年に労働契約を変更した。ローザンヌにある連邦裁判所は、従業員が変更の意味するところを知りながら同意したと認定。為替差損の補填要求には法的根拠がないと判断した。
企業側はこれまで数年間、2人にユーロ建てで給料を支払ってきた。2人の得る給料はフラン建てで給料を得る同僚よりも少ない額だった。
スイス国立銀行(中央銀行)がフランの対ユーロ相場の上限を撤廃した2015年、フランは対ユーロで約3割上昇した。2人はユーロ安が進んだ15~16年の給料目減り分を会社に請求。ジュラ州裁判所は17年に1万8881フラン(約208万円)の支払い命令を下し、続いてシャフハウゼン州裁判所も昨年2万475フランの支払いを命じた。
両企業の上訴に対し、連邦裁判所が企業側の逆転勝訴判決を下した。
おすすめの記事
おすすめの記事
スイスの給与事情 意外と高収入な職種
このコンテンツが公開されたのは、
スイス労働者の給与は他の国と同様、学歴や職業経験よって異なる。チューリヒ州経済労働局の年次報告書2017年版外部リンクでは、一般的な年齢と経験を基にした、あらゆる職種の最低給与を知ることができる。そこから主な職業をいく…
もっと読む スイスの給与事情 意外と高収入な職種
おすすめの記事
バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
このコンテンツが公開されたのは、
5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。
もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
おすすめの記事
ジャッキー・チェンさんに名誉豹賞 ロカルノ映画祭
このコンテンツが公開されたのは、
第78回ロカルノ国際映画祭で、香港出身の俳優ジャッキー・チェンさん(71)に生涯功労賞である「名誉豹賞」が贈られることが決まった。
もっと読む ジャッキー・チェンさんに名誉豹賞 ロカルノ映画祭
おすすめの記事
グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
このコンテンツが公開されたのは、
動くクマのグミ、チョコレート味の電池――大阪・関西万博のスイス館では、ロボット工学者とパティシエ、ホテリエが合作した「ロボケーキ」が展示されている。
もっと読む グミベアが躍る「ロボケーキ」大阪・関西万博スイス館で展示
おすすめの記事
スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
このコンテンツが公開されたのは、
日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。
もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
おすすめの記事
フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのカリン・ケラー・ズッター連邦大統領は、21日死去したローマ教皇フランシスコに哀悼の意を表した。
もっと読む フランシスコ教皇死去、スイス大統領が哀悼
おすすめの記事
WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
このコンテンツが公開されたのは、
世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。
もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
おすすめの記事
スイス外相、日本と中国を訪問
このコンテンツが公開されたのは、
イグナツィオ・カシス外相は日本と中国を公式訪問する。
もっと読む スイス外相、日本と中国を訪問
おすすめの記事
TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
このコンテンツが公開されたのは、
米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。
もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出
おすすめの記事
ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス小売大手のミグロ(Migros)は14日、アッペンツェル・アウサーローデン準州ヘリザウにある1店舗を年中無休化すると発表した。
もっと読む ミグロ、スイス初の年中無休スーパーを開店へ
おすすめの記事
ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
このコンテンツが公開されたのは、
2025年大阪・関西万博のスイス館が、13日の開幕日に開館した。没入感のある展示空間でスイスの多様・卓越性を紹介し、150万人以上の来館者を見込む。
もっと読む ハイジのスイス館、150万人以上の来館者見込む 大阪・関西万博
続きを読む
おすすめの記事
越境労働者
このコンテンツが公開されたのは、
外国から国境を超え、スイスの会社に通勤する人の数は近年着実に増え、現在は31万2000人強。越境労働者に発行されるGタイプの滞在許可証保持者は今日、スイスの労働者全体の6%を占める。
もっと読む 越境労働者
おすすめの記事
外国からスイスに通勤する越境労働者、過去最多
このコンテンツが公開されたのは、
隣国から国境を越えてスイス国内に毎日通勤する越境労働者の数は今年、32万5千人と過去最多を記録した。特にイタリア語圏ティチーノ州とフランス語圏ジュネーブ州での増加が顕著だ。
もっと読む 外国からスイスに通勤する越境労働者、過去最多
おすすめの記事
越境労働者がスイス人から職を奪っているわけではない?
このコンテンツが公開されたのは、
隣国から国境を越えてスイスに働きに来る労働者が、スイス人から職を奪っているわけではないし、むしろスイスの労働市場にメリットをもたらしている―。何かと否定的な見方をされる越境労働者について、スイス人の経済学者たちがこんな研究結果を発表した。
もっと読む 越境労働者がスイス人から職を奪っているわけではない?
おすすめの記事
労働許可証
労働許可証の取得方法は、申請者の出身国やスキル、外国人雇用制限枠(クオータ制)などにより異なる。
もっと読む 労働許可証
おすすめの記事
スイスの最低賃金は40万円台が妥当?
このコンテンツが公開されたのは、
他の多くの欧州諸国と異なり、スイスには全ての職業に共通する最低賃金が設定されているわけではない。それは職業ごと、州ごとに決まっている。果たして「フェアな最低賃金」はいくらなのか、繰り返し議論の的になっている。
もっと読む スイスの最低賃金は40万円台が妥当?
おすすめの記事
労働市場の裏側
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの雇用状況は非常に安定している。世界的な経済危機が発生しても、スイス経済に壊滅的な影響を与えることはほとんどない。
もっと読む 労働市場の裏側
おすすめの記事
スイスの国境警備、違法越境者の監視にドローンを使用
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのティチーノ州とイタリアの国境を違法に越える難民を発見するため、スイス空軍のドローンがこれまでに最多で年間80回使われてきた。 スイスは2016年に入って7カ月間で、ティチーノ州に逃れてきた8千人以上の難民をイタリ…
もっと読む スイスの国境警備、違法越境者の監視にドローンを使用
おすすめの記事
ジュネーブへの移民労働者の増加 その背景は?
このコンテンツが公開されたのは、
スイス西部の都市ジュネーブには2014年、約8300人の新住民が流入した。その多くが労働目的の外国人だ。これは1960年代以来、最大の人口増となる。どのような人々が、どんな目的でやってくるのだろう?新住民に話を聞いた。
もっと読む ジュネーブへの移民労働者の増加 その背景は?
おすすめの記事
国境をこえて、いいとこ取り!~バーゼルでの暮らし
このコンテンツが公開されたのは、
バーゼルには、他の都市にない事情がある。ドイツ・フランスとの国境が交わる地点は、市の中心からわずか1.2キロの距離。日帰りどころか1時間以内で、3カ国をまわれるのだ!
もっと読む 国境をこえて、いいとこ取り!~バーゼルでの暮らし
おすすめの記事
越境労働者 論議を呼ぶスイスの現状
このコンテンツが公開されたのは、
「ジュネーブ人の敵!越境労働者はもうたくさんだ!ジュネーブの雇用確保を!」。ジュネーブ州で2番目に大きなジュネーブ州民運動党(MCG)は、10月6日に行われる州政府、州議会選挙に向けて早くも選挙活動の狙いを定めた。また…
もっと読む 越境労働者 論議を呼ぶスイスの現状
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。