連邦内閣は4度目となる年金制度抜本改革案を議会に提出する
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スイス連邦内閣は2日、新たな遺族・老齢年金基金(AHV)制度改革案のガイドラインをまとめた。財源確保に伴う付加価値税(VAT)の引き上げと、女性の定年年齢を64歳から65歳に延長するのが主な内容。昨年秋の国民投票で否決された改革案と似た内容だが、内閣はこのままでは年金財源が枯渇するとして、再び改革案を議論の場に上げる考えだ。
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スイスの年金制度はAHV、被雇用者が入る企業年金、任意の年金保険の3本の柱からなり、AHVは日本の国民年金(基礎年金)に当たる。改革案ではVATの税率を最大1.7%に引き上げることで60億フラン(約6900億円)の財源確保が見込め、2033年までAHVの制度が維持できるという。企業年金改革についても別途提示する。連邦内閣は今夏までに改革案を議会に提出する予定。
女性の年金受給開始年齢は毎年3カ月ずつ段階的に引き上げ、最終的に男性と同じ65歳にする。対象となる国民には不均衡の緩和策を提示する。
昨年9月の国民投票にかけられた年金改革案は▽女性の定年を65歳に引き上げ▽VATを0.3%引き上げ▽定年年齢引き上げの不均衡緩和策として、2019年以降に年金を受け取る人の受給額を月70フラン増額―などの項目が盛り込まれたが、52.7%の反対により僅差で否決された。今回、連邦内閣が提出する年金制度改革案は過去20年で4度目となる。
連邦内閣はまた、国民が定年年齢を62~70歳の間で自由に選択できるようにするべきだとしている。
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