スイス西部・ヴォー州の検察庁は、新型コロナウイルスに伴う政府の緊急融資を不正受給したとして、詐欺・資金洗浄(マネーロンダリング)などの容疑で捜査を始めた。検察は、約150万フラン(約1億6500万円)が国外に送金されたとみている。
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ヴォー州検察庁は25日、19日に複数の容疑者を逮捕したと発表した。詐欺、背任、偽造、マネーロンダリング、コロナ緊急融資外部リンクの不正受給などの事件として捜査している。逮捕されたうちの1人は勾留された。
検察は複数の企業を家宅捜索し、関連する銀行口座を凍結。容疑者らはトルコにルーツを持つスイス国籍者という。検察は、容疑者らは企業の売上高を偽るなどして緊急融資を申請し、複数の銀行から計数百万フランを不正に受け取ったとみている。
検察は、150万フラン超が海外に流出したとみて、本国に戻すための措置を取った。
州検察のアントン・リューシュ検察官によると、銀行がこれまで認可した融資事案を調べたところ、不正が疑われる要素が複数判明したため連邦警察のマネーロンダリング通報局に連絡。連邦警察がこれらの報告内容を調べ、管轄のヴォー州検察庁に通告した。
リューシュ検察官はスイスの通信社Keystone-SDAに対し「関与している企業は複数で、主に中小企業だ」とコメント。捜査の詳細は明かしていない。検察は不正受給された融資金が企業活動以外に使われたとみている。
チューリヒ州でも今月、同様の事例が報告されている。
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