エネルギー価格高騰を受け、スイスの製鉄所が従業員の労働時間を減らす操業短縮制度の申請に踏み切った。解雇を回避するための策だという。
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ドイツ語圏の日曜紙NZZ・アム・ゾンタークが報じた。操業短縮制度の適用を申請したのはスイス北西部ソロトゥルン州にあるシュタール・ゲルラフィンゲン製鉄所。10月から12月までの適用許可を得た。
年間で7万世帯分の電力を消費する同製鉄所では、10月のエネルギーコストが4500万フラン(約64億円)に上る見込み。同製鉄所のアラン・クレトゥール最高経営責任者(CEO )によると、これだけで危機前の年間の電気代を超える。伊ベルトラーメグループに所属する同製鉄所は、毎日約2600トンの鉄鋼を生産する。従業員数は約560人。
操業短縮制度は、経営難の企業が一時的に従業員の労働時間を減らすことができる制度。労働者は労働時間が減り、雇用主から受け取る賃金も減るが、失業保険がその8割を補填(ほてん)する。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック中、多くの企業がこの制度を利用した。製鉄所のケースは、ウクライナでの戦争によるエネルギー危機を受け、企業が操業短縮制度の利用に踏み切った国内初の事例の1つとなった。
英語からの翻訳・シュミット一恵
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