The Swiss voice in the world since 1935

製鉄所が労働時間短縮へ、エネルギー危機で

製鉄所
© Keystone / Gaetan Bally

エネルギー価格高騰を受け、スイスの製鉄所が従業員の労働時間を減らす操業短縮制度の申請に踏み切った。解雇を回避するための策だという。

ドイツ語圏の日曜紙NZZ・アム・ゾンタークが報じた。操業短縮制度の適用を申請したのはスイス北西部ソロトゥルン州にあるシュタール・ゲルラフィンゲン製鉄所。10月から12月までの適用許可を得た。

年間で7万世帯分の電力を消費する同製鉄所では、10月のエネルギーコストが4500万フラン(約64億円)に上る見込み。同製鉄所のアラン・クレトゥール最高経営責任者(CEO )によると、これだけで危機前の年間の電気代を超える。伊ベルトラーメグループに所属する同製鉄所は、毎日約2600トンの鉄鋼を生産する。従業員数は約560人。

操業短縮制度は、経営難の企業が一時的に従業員の労働時間を減らすことができる制度。労働者は労働時間が減り、雇用主から受け取る賃金も減るが、失業保険がその8割を補填(ほてん)する。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック中、多くの企業がこの制度を利用した。製鉄所のケースは、ウクライナでの戦争によるエネルギー危機を受け、企業が操業短縮制度の利用に踏み切った国内初の事例の1つとなった。

英語からの翻訳・シュミット一恵

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

スマートフォンの画面とそれを操作する手

おすすめの記事

スイス・ニトヴァルデン準州の小学校、スマホ禁止へ

このコンテンツが公開されたのは、 スイス中部ニトヴァルデン準州は5日、スマートフォンをはじめとするIT機器の小学校での使用禁止を発表した。授業目的や緊急時などを除き、全面的に学校でスマホが使えなくなる。

もっと読む スイス・ニトヴァルデン準州の小学校、スマホ禁止へ
バーゼルの路面電車

おすすめの記事

バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ

このコンテンツが公開されたのは、 5月11~17日の欧州国別対抗の音楽祭「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト(ESC)」開催中、バーゼルでは「カラオケ・トラム(路面電車)」が運行する。ビンテージ車両で90分間かけて街を走る間、乗客は無料で歌い踊ることができる。

もっと読む バーゼルで「カラオケ路面電車」走行 欧州歌合戦に合わせ
大阪・関西万博

おすすめの記事

スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール

このコンテンツが公開されたのは、 日本を公式訪問中のスイスのイグナツィオ・カシス外相は22日、2025年大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーのオープニングセレモニーに出席し、結束と対話を呼びかけた。

もっと読む スイス外相、大阪・関西万博で結束と対話をアピール
クラウス・シュワブ氏

おすすめの記事

WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任

このコンテンツが公開されたのは、 世界経済フォーラム(WEF)は21日、創設者で会長のクラウス・シュワブ氏が同日付で辞任したと発表した。

もっと読む WEFのクラウス・シュワブ会長が辞任
コーデリア・ベール

おすすめの記事

TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出

このコンテンツが公開されたのは、 米誌タイムズの「2025年最も影響力のある100人」に、弁護士コーデリア・ベール氏がスイス人女性では唯一ランクインした。ベール氏は気候訴訟で異例の勝訴判決を勝ち取った人物だ。

もっと読む TIME誌、スイス人弁護士を「最も影響力のある100人」に選出

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部