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ローザンヌで羽を広げるバレエダンサー

ローザンヌバレエ決選 佐々木須弥奈さんが3位とベスト・スイス賞受賞 留学中の日本人3人が入賞

ローザンヌ国際バレエコンクール入賞者
第47回ローザンヌ国際バレエコンクール入賞者と審査員。 前列は、左から8位の住山美桜さん、3位の佐々木須弥奈さん、7位のJOAQUIM Alexandreさん、1位のBROWN Mackenzieさん、4位の脇塚優さん。 後列は、一番左が2位のFIGUEREDO Gabrielさん、左から2番目が5位のWU Shuailunさん、一番右が6位のDA SILVA João Vitorさん Prix de Lausanne/Gregory Batardon

9日、スイス西部ローザンヌで開催された国際バレエコンクールで最終選考が行われ、日本人はチューリヒにバレエ留学中の佐々木須弥奈さん(18)が3位とベスト・スイス賞を受賞。脇塚優さんが4位、住山美桜さんが8位に入賞した。

「ベスト・スイス賞」は、スイスに少なくとも2年在住しバレエ教育を受けるダンサーに受賞資格がある。コンクールで優秀な成績を収め、チューリヒ・ダンス・アカデミーに留学して4年になる佐々木さんに賞が授与された。

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佐々木さんは受賞直後、スイスインフォのインタビューに対し「本当に信じられないですし、幸せで言葉もないです。ベスト・スイス賞をもらえただけでビックリですが、3位もうれしい」と喜びを語った。「ここからがスタートなので、プロのダンサーとしての第一歩を生み出せたのかなと思う」。佐々木さんは、決勝で優雅で伸びのあるアラベスクを披露。特にコンテンポラリー・バリエーションでは、ウェイン・マクレガー振付の「Chroma(彩度)」で優れた技術力と表現力を披露した。佐々木さんは、「自分の体の特徴に合った踊りだったのでこの踊りを選びました。でも、ストーリーがないバリエーションだったので、自分なりに踊るのが難しかったです。腕の使い方を自分で研究しました」と語る。

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今回、コンクールの審査員を務めた元英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルの吉田都氏は、佐々木さんの踊りについて「綺麗でしたし、強いし、感情をこめて踊っているというのが伝わってきました。ラインもテクニックもきちんとしていますが、何よりも踊りに心を込めて踊ってくれたのが感動的でした」と感想を述べた。佐々木さんは、受賞による研修・奨学制度でドイツのシュトゥットガルト・バレエ団に入るのが希望だという。

吉田都氏は今回入賞した日本人ダンサーについて、「すでに皆さん海外の学校に行っていて、枠を外れた世界レベル」と高く評価する。「私自身も海外でいろいろ多くのことを学びました。オペラハウスで踊れたことが、自分の人生の中で大きく、私もそれにすべてをかけていました。ですから、やはりそういう環境の中で踊れるチャンスがあるのであれば、どんどんみんな海外へ出て行ったらいいのではないかなと思います」と話す。

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優勝した米国のマッケンジー・ブラウンさん(16)は、プティパ振付の「ラ・バヤデールの第3ソリスト・バリエーション」を華やかに披露。コンテンポラリーでは、ジャン・クリストフ・マイヨーの新作「Abstract(抽象)」で体を自由自在に動かして、音楽と一体化するように踊った。3歳の時からバレエを始め、現在はモナコのプリンセス・グレース・アカデミーに留学中のブラウンさん。受賞後は、「感動して、胸がいっぱいです。とてもうれしいです」と感想を述べた。昨年優勝を飾ったシェール・ワグマンさんも同校の出身。プリンセス・グレース・アカデミーから2年連続で1位を輩出したことになる。

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ハンガリーに留学中の脇塚優さんは、本選の演技中に転倒したものの4位に入賞。審査員らの話によると、笑顔が溢れ観客を引込むキャラクターが目を引いたが、技術面や体の動きのコントロールがしっかりしていることも高評価された。脇塚さんは「これからの自分次第。舞台で働きたいという夢に近づけたので、自分に厳しくして頑張っていきたい」と抱負を語った。

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スイスに留学中の住山美桜さんは、8位に入賞。受賞後、「本当にここまで頑張ってきてよかったなと思います。自分の踊りを通して誰かを感動させられるような踊りを目指して頑張りました」とインタビューに答えた。吉田氏によると、住山さんは「コンクールの始まった週の初めから楽しそうで、みんなが緊張して固まっている状態の時から楽しんでいる様子が見て取れた。コンテものびのびと踊っていた」という。

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1位 BROWN Mackenzie 米国

2位 FIGUEREDO Gabriel ブラジル 

3位 佐々木 須弥奈 日本 

4位 脇塚 優 日本

5位 WU Shuailun 中国

6位 DA SILVA João Vitor ブラジル 

7位 JOAQUIM Alexandre ポルトガル

8位 住山 美桜 日本

コンテンポラリー賞 BROWN Mackenzie 

ベスト・ヤング・タレント賞 SHUGART Julia

ベスト・スイス賞 佐々木 須弥奈 

観客賞 BROWN Mackenzie 

Web観客賞 CHOI Jihyun

正式名称はPrix de Lausanne外部リンク(プリ・ド・ローザンヌ)で、才能豊かな若いバレエダンサーがプロの道に踏み出すことをサポートすることを目的とし、スイス西部のヴォー州ローザンヌで1973年から開催されている。15~19歳未満の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクールの一つで、若いダンサーの登竜門とも言われる。現在カンパニーとプロとして契約中、または過去にプロ契約を結んだことのあるダンサーは参加できない。

第47回コンクールは2019年2月3日から10日まで開催され、363人が応募し、予選のビデオ審査を通過した74人が本選に参加した。日本人は12人が参加。決勝には日本人4人を含む21人が出場した。入賞者は、希望するバレエ学校かバレエ団で1年間研修でき、奨学金が与えられる。
審査員は9人で構成され、今回は、キューバのカルロス・アコスタ氏が審査員長を務めた。元英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルの吉田都氏も審査員を務めた。アコスタ氏も吉田氏も過去に同コンクールで入賞を果たしている。

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