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MUBA2000

裸の妊婦のポスターとスイス軍のシミュレーター。28日から10日間バーゼルで開かれるMUBAフェアは、開催前から論争の的となった。

裸の妊婦のポスターとスイス軍のシミュレーター。28日から10日間バーゼルで開かれるMUBAフェアは、開催前から論争の的となった。

物議の筆頭は、フェアの広告キャンペーンだ。運営役員会は、21世紀にむけてMUBAの新しいイメージをつくりたいと考え、米国の写真家ロバート・エイベドンを招きMUBAを「全てのフェアの母」として表現するような写真を依頼した。そして、英国のモデル、ゾーイ・ゲイズの自信に満ちた現代的な妊婦の裸像という作品ができた。

800以上の掲示板に張られたポスターに、フェミニストは野外研究日を主宰し、スプレーをまき散らした団体もあった。また、ゾロトゥルン州ではポスターは禁止、ルツェルン州では検閲された。が、フェアの主宰者側は、肯定的な反応の方が多いとし、ポスターは有益だったと確信している。美的キャンペーンはフェアの来場者を楽しませ、好影響を及ぼすとクルト・フリシュネット・ディレクターは言う。が、スプレー攻撃や批判にたじろぐ運営委員の意見もある。

論争の2つめは、特別展示場のスイス軍射撃模擬訓練装置だ。子供達に悪影響を与えるとして批判の嵐が荒れ狂った後、開催直前に撤去されたが、軍は納得したわけではない。軍のブリガディ・ファウストス・フュラー・フェアプロジェクトリーダーは「この射撃訓練装置は10年前に作られたもので、前にもフェアに展示された。実際6万人の国民がこれを用いて射撃訓練をしており、新しくも珍しくもないものだ。MUBAの軍の展示スペース5000平方メートルのわずか80平方メートルを占めるにすぎないものなのに。」と言う。

さらに軍に対しては、展示に500万スイスフランの予算を費やしたという批判もある。それに対し軍は「国民が軍を企業とみているならば、軍には情報提供の義務がある。我々は軍が予算で何をしているか広く国民に知らせなければならない。また、スイスの未来の安全保障政策の様々な目標の側面を描写しなければならない。」と反論する。

軍の展示品は、FA18戦闘機、ユーゴスラビアに出動したスーパーピューマヘリコプター、国境パトロールにつく犬、山間部で活躍する馬などの動物だ。軍楽隊の演奏や軍の食事も展示の一部だ。

MUBA2000のゲスト国はブラジルだ。ブラジルは、サンバとサッカーだけの国ではない事を証明したいと、クロスエアに航空機を輸出したハイテク企業が出展している。

また、キックボクシング世界チャンピオン、アンディ・フグのショーなど、アトラクションも見逃せない。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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