中世の古城、シヨン城が財政難

ヴォー州のレマン湖上に立つシヨン城。欧州の中世の古城として非常に人気が高く、観光に訪れる人も多い。しかし、そんな古城が増税のあおりで、保全事業が立ち行かなくなる懸念が生じている。 (SRF/swissinfo.ch)

このコンテンツは 2018/03/21 13:00

昨年、過去最高の40万人超が訪れたシヨン城。城がある自治体のヴェトーは2018年1月、チケットの売り上げにかかる税金を4割引き上げた。これにより、城が支払う税金は年間10万フラン(約1150万円)増えることになった。ヴェトーの担当者は深刻な財政難のため、増税以外に選択肢がないと話す。

シヨン城は今後、毎年25万フラン超のチケット税を納めることになる。この額は州から出る城の保全を目的とした補助金を上回る。城の管理者は、これだけ大規模な歴史的建造物の保全・改修を今後も続けられるのか、不安を感じている。

この城は固い岩盤の上に建ち、先史時代から人が住んでいた。ここは生まれ持っての防衛施設で、欧州を南北に縦断する道を監視する戦略的地点でもあった。12世紀から16世紀まで、この城を拠点としていたサヴォワ伯が、往来する人々からの通行税で財を成した。その後、ベルンの住民がこの城を占領し、後にヴォー州の住民に取って代わられた。

城は、19世紀に活躍したロマン派作家たちの注目を集めた。パーシー・ビッシュ・シェリー、アレクサンドル・デュマ、ヴィクトル・ユーゴー、ジャン・ジャック・ルソーら名だたる作家がこの城に魅了された。しかし、城が有名になったのは英詩人バイロンによる1816年の詩「シヨンの囚人」だ。米小説家ヘンリー・ミラーの小説「デイジー・ミラー」(1878年)の一場面に登場するほか、ディズニー映画「リトルマーメイド」(1989年)の城のモデルにもなった。

(英語からの翻訳・宇田薫)

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