レマン湖畔に位置するスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)には、米軍・国防省から159万フラン(約1億8千万円)が寄付されたと報じられた
© KEYSTONE / LAURENT GILLIERON
ローザンヌとチューリヒにあるスイス連邦工科大学の研究に、米国から約220万フラン(約2億5千万円)が流れていることが分かった。ルツェルンの地域紙が報じた。
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トランプ氏が大統領に就任した2016年以降、ローザンヌ校には159万フラン、チューリヒ校には60万フラン近くが米国防省や米軍から提供された。
具体的にどのプロジェクトに対する出資なのかは、両校とも明らかにしなかった。ただ「必ずしも軍事目的ではない」研究も対象だったという。
米当局は、出資は技術的な優位性を保つためのものにすぎないと語った。
スイスの政治家からは賛否両論が出た。社会民主党のアニータ・フェッツ議員はフランス語圏のスイス公共放送(RTS)で、「アメリカ人がお金を注ぎ込むなら、それは自分の利益を狙ったものだ」と懸念を示した。
自由緑の党のイザベル・シェヴァレー氏は「ローザンヌ校が米軍だろうが誰であろうが、民間から寄付を受け取ることは全く驚くに値しない。予算が年々削減されるなか、民間セクターに資金を求めざるを得なくなっているためだ」と楽観視する。
RTSによると、米国がスイスの大学に出資をするのは初めてではない。例えば米保健福祉省ががん治療に出資したことがある。
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