新型コロナウイルスの感染者が急増する中国からの渡航者に各国が検査・隔離を課すなか、スイスも可能な対策を探っている。
このコンテンツが公開されたのは、
欧州連合(EU)加盟27カ国は4日、危機対応を巡る会合で、中国からの渡航者への検査義務付けは見送ったが、「強く推奨」することで一致した。
また中国発の航空機では医療用またはFFP2マスクを着用することも推奨する。
スイス連邦保健庁は5日、スイスの通信社Keystone-SDAに対し、同会議の結果を疫学的基準に照らして精査していると語った。
大衆紙ブリック外部リンクによると、昨年末時点では、スイスの免疫保有率の高さを理由に特段の規制は設けない構えだった。ただスイス・EU間はシェンゲン協定により自由に移動ができるため、渡航規制にはある程度足並みをそろえる必要がある。
また今月26日から北京との直行便が運航再開するジュネーブの保健当局は、検査義務の導入を求めていた。
ドイツ、スウェーデン、ベルギーは5日、中国からの渡航者に検査義務を課した。イタリア、フランス、スペインなど複数のEU加盟国は既に独自に入国規制を強化している。
次なる流行
人口14億人の中国は先月、突如「ゼロコロナ」政策を解除した。3年前に武漢市で新型コロナの流行が始まって以来ウイルス封じ込めに徹してきたが、ゼロコロナ政策の撤廃後、ほぼ免疫のない人々の間で感染が急増している。
今月下旬には春節(新正月)の休暇で数百万人が国内を旅行するとみられる。世界保健機関(WHO)はワクチン接種率の引き上げやその他の予防策を講じなければ、さらなる流行の波が発生する可能性があると警告している。
8日からは中国への入国者に対する隔離義務も解除される。中国では3~4月まで大流行が続くとの予想もある。
スイス保健庁は5日、過去7日間の新型コロナ感染者数が4166人だったと発表した。先月29日時点では1万2632人だったが、今月1日から検査費用が自己負担となったため病院などでの検査による陽性者数は大幅に減少した。入院者数は225人、死亡者数は25人だった。
英語からの翻訳:ムートゥ朋子
おすすめの記事
ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
このコンテンツが公開されたのは、
6月15~16日に開催されるウクライナ平和サミットの舞台として、ルツェルン湖を望むホテル「ビュルゲンシュトック・リゾート」が注目を浴びている。かつては庶民も受け入れられる高級リゾートして地元に愛されていたが、近年は事情が違うようだ。
もっと読む ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
おすすめの記事
スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
このコンテンツが公開されたのは、
気候変動の影響で、スイスで花粉症患者が増加している。有症率は2割で、経済損失は最大で年間6900億円に上る。
もっと読む スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
おすすめの記事
ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
このコンテンツが公開されたのは、
欧州国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の決勝が11日、スウェーデン南部マルメで行われ、「ノンバイナリー」を自認するスイス代表のNemo(24)が優勝した。会場周辺ではイスラエル参加に対する大規模な抗議活動も行われた。
もっと読む ユーロビジョン、「ノンバイナリー」自認のスイス代表優勝 イスラエル参加に抗議も
おすすめの記事
スイス北東部でオーロラ観測
このコンテンツが公開されたのは、
スイス北東部のゼンティス山頂で6日未明、オーロラが観測された。
もっと読む スイス北東部でオーロラ観測
おすすめの記事
ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
このコンテンツが公開されたのは、
スイスアーミーナイフの製造で知られるビクトリノックス社は、世界で広まるナイフ規制強化の波に対応するため、刃のないモデルの開発に取り組んでいる。カール・エルズナー最高経営責任者(CEO)がスイス紙のインタビューで明かした。
もっと読む ビクトリノックス、刃のないアーミーナイフを開発
おすすめの記事
スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦運輸省民間航空局(BAZL/OFAC)が3日発表した2023年の航空安全報告書によると、民間・小型航空機の事故件数は9995件と、前年から24%増加した。
もっと読む スイス飛行機事故、24%増 紛争地上空ではGPS妨害も
おすすめの記事
「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦裁判所(最高裁)は先月26日、チューリヒ地方裁判所の判事の1人に対し、気候活動家に関する裁判への関与を禁じる判決を下した。この判事が過去の裁判で活動家への団結心を見せたとして、考え方に偏りがあると結論付けた。
もっと読む 「気候活動家への団結心」見せた判事、類似事件への関与禁止 スイス最高裁
おすすめの記事
スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦統計局は25日、2023年の名目賃金は1.7%上昇したと発表した。インフレ(年平均2.1%)に相殺され、実質賃金は0.4%低下した。
もっと読む スイス、2023年の実質賃金は0.4%低下
おすすめの記事
製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大手製薬ノバルティスは22日、2025年で任期満了となるヨルク・ラインハルト取締役会長の後任に、ジョバンニ・カフォリオ氏を選出すると発表した。
もっと読む 製薬大手ノバルティス、次期会長候補に米製薬BMS出身者選出
おすすめの記事
スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
このコンテンツが公開されたのは、
エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。
もっと読む スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着
続きを読む
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
新型コロナに対する免疫力は測ることができるのか?
このコンテンツが公開されたのは、
多くの国がパンデミック(世界的大流行)が終息したと信じる中、公衆衛生の専門家はより慎重な姿勢を見せる。その理由は、このウイルスに対する免疫力を知る検査方法がまだ確立されていないからだ。
もっと読む 新型コロナに対する免疫力は測ることができるのか?
おすすめの記事
静寂のオアシスに押し寄せる「愛の不時着」ファン
このコンテンツが公開されたのは、
アジア諸国を中心に一大ブームとなった韓国ドラマ「愛の不時着」のファンが、スイスのロケ地に押し寄せている。ただ静けさを売りに観光客を魅了してきたイゼルトヴァルトでは、思いがけないブームに戸惑いの声も上がっている。
もっと読む 静寂のオアシスに押し寄せる「愛の不時着」ファン
おすすめの記事
初のサル痘感染が確認されたスイス、有効な治療薬は未承認
このコンテンツが公開されたのは、
21日、サル痘の感染者がスイス国内で初めて確認された。しかしスイスでは現在、欧州連合で(EU)認可済みのサル痘に利用できる天然痘の治療薬「テコビリマット(tecovirimat)」は承認されていない。
もっと読む 初のサル痘感染が確認されたスイス、有効な治療薬は未承認
おすすめの記事
スイス拠点のWHO病原体バイオハブ、将来のパンデミックにどう備える?
このコンテンツが公開されたのは、
病原体の国際的な保管拠点がスイスに設立され、ウイルスなどの病原体を保管・分析し、世界の研究関連施設と速やかに共有すれば、次のパンデミック(世界的大流行)への備えを強化できる――。WHOバイオハブ設置予定地のシュピーツ研究所で働く専門家はそう期待を寄せる。
もっと読む スイス拠点のWHO病原体バイオハブ、将来のパンデミックにどう備える?
おすすめの記事
スイス、5月2日から全入国規制を撤廃
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは5月2日から新型コロナウイルス感染対策として講じていた入国規制を全面解除する。日本からも観光目的・ワクチン未接種でも入国できるようになる。
もっと読む スイス、5月2日から全入国規制を撤廃
おすすめの記事
消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルスの影響でスイスの観光業は悲鳴を上げている。今夏に向けて様々なアイデアで地元客の掘り起こしを図ってはいるが、国内客だけでは外国人観光客の穴埋めはできない見通しだ。平常に戻るまでには数年かかるとされる。
もっと読む 消えた外国人観光客、スイス観光業へのダメージ深刻
おすすめの記事
WHO強化、世界はどこまで本気で取り組めるか?
このコンテンツが公開されたのは、
22日開幕した世界保健機関(WHO)年次総会では、将来のパンデミック(世界的大流行)に備える新条約やWHOの予算強化が議論されているが、実を結ぶまでには数年かかりそうだ。
もっと読む WHO強化、世界はどこまで本気で取り組めるか?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。