
スリランカ当局、誘拐された大使館職員に受診命令

スリランカでスイス大使館の現地職員が一時誘拐されたとされる事件で、スリランカの裁判所は、捜査の一環としてこの現地職員に医師の診察を受けるよう命じた。
スリランカ国籍の女性職員は先月25日、路上で車に引きずり込まれ、「大使館関連情報」を開示するよう男らに脅されたという。「事件」はスリランカの警察官幹部がスイスに難民申請した翌日に発生した。
スリランカ側は、ウーバー(Uber)の記録、監視カメラ(CCTV)映像、電話履歴やGPSデータなどから、事件の真偽に疑問を呈した。これに応じる形で、スイス当局は今月2日、スリランカ大使を召喚し、説明を求めた。
スリランカの裁判所は9日、女性職員に対し、裁判所が指定した医師の診察を受けるよう命じた。また捜査のため、12日までスリランカにとどまらなければならないとした。
スイス大使館によると、女性職員は健康状態が悪く、聴取に耐えられないとしている。だが女性職員は8日、裁判官の決定に従い警察官の前で長時間証言した。
ラジャパクサ政権
スイスに難民申請したスリランカの警察官は、先月の大統領選で当選したラジャパクサ大統領らに関連する事件を捜査していた。2005年から2015年まで大統領を務めた兄のマヒンダ氏が首相に就任した。
ラジャパクサ氏らはスリランカを10年にわたり圧制で支配した強権派。一家は汚職などの容疑で告発されている。
新政府は、いかなる警察官も許可なしに出国できないよう、空港入国管理局に命じていた。

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