スイス東部ダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、これまで悪化していたスイスと欧州連合(EU)の二国間関係に動きがあった。EU議長国のスウェーデンは、5月に開かれるEU外相・国防相非公式会合にスイスを招待した。
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「初めてのことだ」。イグナツィオ・カシス外相は18日、同会議の場でスウェーデン側と会談後、メディア取材に応じそう語った。スイスはEUの他の閣僚会合(特に司法相)には既に招待されたことがある。
カシス氏は、これは「絶好の機会」であり、「過小評価されてはならない合図」だと語った。
一方、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長との会談は2年連続で実現しなかった。
ただ、アラン・ベルセ大統領兼内相は、これについて「過剰に解釈すべきではない」と発言。同委員長とは非公式に話をし「とても良い接触」だったとしたが、より正式な形式は「まだ全く意味がない」と感じたという。
スイスは2021年、120件超の二国間協定をまとめる枠組み条約について、EUとの交渉を一方的に打ち切った。これをきっかけに、スイスとEUの関係は悪化した。この外交的行き詰まりを打開する努力が続くが、いずれも頓挫している。
スイス側の首席交渉官リヴィア・ロイ氏は20日、ブリュッセルに赴き、新たな予備協議を行う予定。スイス側は今後数カ月で予備協議を完了したい構えだ。
連邦議会総選挙
カシス氏は10月に連邦議会総選挙が控えていることに触れ、スイスはこの問題に対し迅速に行動する必要があると述べた。もし「集中的な接触」の結果、政府がこの問題に関して新たな権限を設定できるような基盤ができれば、今後数カ月以内で決定に至る可能性がある、という。
一方、EUとの間で決着する見込みについて「これがさらに続けば、選挙イヤー中には困難になる」としたが「これはスイスだけによるものではない」と語った。
カシス氏は、ダボス会議で欧州の関係者と会談した際、最も頭を悩ませた問題の1つがこの二国間関係だったという。だが政府関係者の中で欧州委員会のパオロ・ジェンティローニ経済担当委員と会談したのはカリン・ケラー・ズッター財務相だけだった。
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