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スイスの科学者が超巨大ブラックホールの誕生を理論づける

ブラックホールのイメージ写真

最初の超巨大ブラックホールは、宇宙誕生のビックバンの直後にできたという研究理論をチューリヒ大学が8月25日、発表した。

超巨大ブラックホールとは、太陽の質量の10の6乗から8乗の大きさで銀河の中心にあると考えられ、これまでは、ブラックホール同士がお互いに合体してできると考えられてきた。この研究理論は英科学誌ネイチャーに発表された。

超巨大ブラックホール形成は速いスピードで

 チューリヒ大学理論物理学研究所のルチオ・マイヤー教授が率いるチームによると、超巨大ブラックホールは約130億年前にできた。つまり、宇宙の誕生となるビックバン後10億年の間に形成したという。この研究チームによりすでに、銀河系はこれまで思われてきたより短い10億年の間に形成されていたことは理論づけられていた。マイヤー教授のチームは今回、コンピューターのシミュレーションで、最初の超巨大ブラックホールは、早期の銀河系が衝突したり合体したりした際に形成されたことを理論づけた。

 これまで銀河系は、小さく生まれて大きく成長すると考えられてきた。つまり、小さい銀河系同士が重力により引き合い、合体し徐々に大きな銀河系を作るという理論だ。しかし、マイヤー教授のチームはこれと逆の説を唱えている。
「わたしたちの研究結果では、宇宙誕生の歴史の中で、銀河系や超巨大ブラックホールは、短期間で形成していったという結論に達した」
 と語る。

 この理論では、小さいものから大きく成長するコールドダークマター ( 冷たい暗黒物質 ) の基本論理と一見矛盾するようだが、マイヤー教授は
「銀河系の中にある見える物質や超巨大ブラックホールといった『普通の物質』は、ダークマターより衝突しやすい。宇宙でも濃度の高い部分ではまず重力が秩序を持つようになり、巨大な銀河系といった『普通の物質』が速く形成される。かといって、銀河系やブラックホールが小さいものから大きいものへと形成する必要はないらしい」
 と語り、説明可能だという。

 巨大銀河系と超巨大ブラックホールの形成は速い。一方、小さな銀河系、例えば100万太陽質量程度の私たちが住む太陽系や、太陽系のある天の川銀河、そして小さなブラックホールといったものは、今回シミュレーションした10億太陽質量規模のものとは違い、ゆっくり形成していったという。

銀河系とブラックホールの関係を解明

 マイヤー教授のチームがシミュレーションした銀河系は、天の川銀河の100倍に相当し、これまでに知られている最大の銀河系の大きさだ。研究では、この規模の銀河系が作られるには衝突があったとシミュレーションしたわけだが、実際にこの規模に相当する銀河系は、私たちが住む太陽系から5400万光年離れた隣のM87銀河系 ( おとめ座A ) だという。

 今回の研究では、宇宙が誕生した当時と同じ状態、つまり星で構成される、若く大きな銀河系を二つコンピューター上で作り上げ、この二つを衝突させるシミュレーションを行った。コンピューターはチューリヒ大学の「ゼットボックス3 ( Zbox3 ) 」と連邦工科大学チューリヒ校 ( ETHZ ) の「ブルータス・クラスター ( Brutus Cluster ) 」を使い、初の高画像で観察することができた。

 衝突後はガスと塵が改めて結びつき、凝縮された部分ができる。この部分から超巨大ブラックホールが作られ、誕生直後は星も生まれない。

 天文学上ではこの新しい認識は大きな意味を持つ。銀河系とブラックホールが並行して成長するため、銀河系とブラックホールの塊のそれぞれの性質には関係があるとされていた理論が覆るからだ。マイヤー教授のチームのモデルでは、ブラックホールは銀河系より非常に早く成長する。よって、ブラックホールの成長銀河系の成長に影響されるのではなく、銀河系がブラックホールの成長に影響されるとみられる。

 物理学上でも、重力波を証明し、アインシュタインの相対性理論を直接的に説明することで有意義だとマイヤー教授は指摘する。1906年、連邦工科大学チューリ校で博士号を取ったアインシュタインは、超巨大ブラックホールが融解する際、時間と空間を同一と考える時空の中で、時間が歪むことによって巨大な重力波が生じるという理論を確立させた。この歪みは現在でも測定可能であるというのが、アインシュタインの考えだ。

swissinfo.ch チューリヒ大学のプレスリリースより
( 独語からの翻訳、佐藤夕美 )

HD 10180 太陽系外にある惑星系の中の星

ジュネーブ大学のクリストフ・ロヴィス教授らのチームは8月24日、太陽と同じような星HD10180は、わたしたちが住む太陽系外にある惑星系の星で、最低5つの惑星に囲まれていることが分かったと発表した。また、さらに2個の惑星の存在を確認できそうな条件がそろっているという。しかもその1個はこれまで発見されている惑星の中でも最小の大きさだという。この惑星系の星同士は太陽系のそれと似たパターンで動くという。HD10180は、地球から128光年の距離にある。

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