スイスの昆虫食、普及には安売りより値上げが得策?

動物の肉の代わりに昆虫を食べれば、環境に優しいだけでなくヒトの健康にも資するとされる Keystone

ミールワームにコオロギ、トビバッタ…スイスで昨年解禁された昆虫食は、値段が高い方が消費者の心を捉えやすい。スイス・ベルン大学などの研究がそんな消費者心理を解き明かした。

このコンテンツは 2018/10/03 12:00
UNIBE/swissinfo.ch/cl

2017年5月から、スイスでは昆虫を食料に使うことができるようになった。スイスでは法律に明記されていない食品の使用は禁止されているが、ミールワーム(ゴミムシダマシの幼虫)、コオロギ、イナゴの3種が使用可能な食品として認められたのだ。昨年後半には小売大手コープがミールワームを使ったバーガーの販売を始めた。

だがスイスとドイツの研究者によると、西洋諸国の多くが昆虫を食べるという発想に抵抗があり、懐疑的・嫌悪的な考えから昆虫食品の消費を避けている。

ベルン大学のセバスティアン・ベルガー氏が率いる研究チームは、昆虫食品の値段が消費者の心理にどんな影響を与えるかを調べる二つの実験を行った。

その結果、昆虫食品に「高級品価格」がつけられている方が消費者の心を捉えやすいことが分かった。ブリティッシュ・フード・ジャーナルに掲載された論文では、「消費者は値段が高い商品は品質も高いとみなす」という一般原則が昆虫食にも通じると指摘した。

ベルガー氏は先月下旬、報道発表で「我々の研究では、高い値段の昆虫食品は高く評価されただけでなく、値段の情報がない他の製品への評価も高めることが分かった」と明らかにした。この「スピルオーバー現象」は、ミールワームの原型が見える「昆虫トリュフ」のような加工度の低い食品にも、同じようにもっと前向きに受け入れられるという。

研究者たちは、昆虫食の普及には、価格を抑えるための助成は得策ではないと結論付けた。高い価格で短期的には需要が落ちるかもしれないが、長期的には消費者の昆虫食に対する見方を変えることに役立つ可能性があるという。

ベルガー氏は「ロブスターやカニは、昆虫のような姿かたちをしているにも関わらず多くの人が好んで食べる。昆虫食に対する嫌悪感もいつか変わる可能性がある」と指摘した。

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