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遺伝子組み換え小麦 野外実験で新たな発見



2010年3月、実験用小麦は温室を出てヴォー州ピュリー ( Pully ) の野外で栽培されている

2010年3月、実験用小麦は温室を出てヴォー州ピュリー ( Pully ) の野外で栽培されている

(Keystone)

たった一つの遺伝子を用いただけで、真菌性の病害、うどん粉病に対する耐性を小麦に持たせることがきる。

しかし、これが収穫の増加を保証するわけではないことがチューリヒ大学の研究でわかった。遺伝子技術を用いた変化には反作用もあるのだ。

温室は守られた環境

 スイス連邦基金 ( SNF/FNS ) が7月13日に発表したところによると、チューリヒ大学の研究者はアジア産の小麦の古い種からうどん粉病の抵抗性遺伝子を取り出し、それを実験用小麦に組み込んだ。 

 そして、まず温室で育てられたこれらの遺伝子組み換え小麦 ( GM小麦 ) を非組み換え小麦 ( 非GM小麦 ) と比較、その後、野外で育てられたGM小麦を非GM小麦と比較した。

 この研究は国家研究プログラム「GM作物の野外栽培における利益と危険性 ( NFP59 ) 」の枠内で行われたものだ。これまでの結果によると、抵抗性遺伝子は実際に小麦のうどん粉病に対する抵抗力を強め、温室栽培ではGM小麦は通常の2倍の収穫をもたらした。

 しかし、野外栽培ではこの結果が逆転したと研究者は専門誌「プロス・ワン ( PLoS ONE ) 」に発表した。抵抗力に関しては野外でも同様の効果を示したが、GM小麦の4分の3は非GM小麦よりも収穫が少なかった。収穫が半減したGM小麦も2本あった。

 同研究を率いる進化生物学者のベルンハルト・シュミット氏は
「たった一つの遺伝子が植物の外観に現れる特徴にこれほど強力な作用を与えうるとは、驚いた。このような大きな副次的効果について報告した論文はこれまで読んだことがない」
 と語る。

 研究結果によると、温室では殺真菌薬を使用しないと多くの小麦が真菌に感染してしまうため、うどん粉病に対する抵抗力を持たせることは温室では有益だ。野外の小麦はうどん粉病にはかかりにくく、その代わりに、乾燥、害虫、近辺に生えるほかの植物などの脅威にさらされる。

 そこで、この抵抗性遺伝子は間接的にこのようなストレス因子に対する抵抗力を弱めてしまうのではないかと研究者たちは推察する。抵抗性遺伝子はうどん粉病に効く分子を常時生産するため、野外の環境条件を克服するための大切な役割に投入できるエネルギーがあまり残らないという考え方だ。

 このことは、個々のGM小麦の収穫の差異にも現れている。抵抗性遺伝子は、野外での収穫が最も少なかった2本の小麦で最も活発に観察されたのだ。この実験により、GM作物の野外実験の重要性が証明されたと研究者たちは言う。温室という守られた環境では、自然界でも生き残れる植物を常に見極めることができないからだ。

swissinfo.ch、外電


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