連邦統計局によると、スイスは2020年、2つの「死の波」に見舞われた
Keystone / Georgios Kefalas
スイスの昨年の死者数は記録的な7万6200人(前年比12.4%増)に上った。平均寿命、出生、結婚、離婚件数はいずれも減少。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は人々のあらゆる生活設計に影響を及ぼした。
このコンテンツが公開されたのは、
連邦統計局は声明で、スイス(人口860万人)は2つの「死の波」に見舞われたと述べた。パンデミックの第1波が襲った昨年3月~4月の死者は、前年同期より約1700人増加(同14%増)し、第2波に見舞われた同年10月~12月は、約7800人の増加(同45%増)だった。
スイス国籍保有者では、男性が前年比13.7%増、女性が同9.3%の増加。在住外国人では、男性が22.8%増、女性が20.4%増だった。
80歳以上の死者数が前年比15.5%増と、他の年齢層より突出して高かった。
高齢者の死者数増加に伴い、平均寿命も縮小。65歳の男性は、以前は20年の余命が期待できたが、昨年は19.3年に縮まった。65歳の女性では22.7年から22.2年に縮まった。
自然増加数はほぼ半減
出生数から死者数を差し引いた自然増加数は9700人で、前年の1万8400人からほぼ半減した。死者数が増加したこと、出生数が微減したことが影した。
出生数は2013年以来最低の8万5900人。2019年は8万6200人だった。女児の出生数は1%減少。男児は0.3%増加した。
婚姻件数は9.8%減の3万5200件で、法定婚とほぼ同等の権利が得られるパートナーシップの登録件数は3.4%減の651件だった。
離婚も4%減の1万6200件。離婚時の婚姻期間は平均15.6年だった。
おすすめの記事
スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
このコンテンツが公開されたのは、
抗生物質の開発に特化するスイスの新興バイオ企業ビオヴェルシス(BioVersys)は2日、日本の塩野義製薬と共同研究・独占ライセンス契約を結んだと発表した。
もっと読む スイスの抗生物質開発企業、塩野義と研究・ライセンス契約を締結
おすすめの記事
スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
このコンテンツが公開されたのは、
スイス放送協会(SRG SSR)は政府の予算削減を踏まえた組織再編計画を発表した。4言語圏の放送局のスポーツ、ドラマ、制作、配給、人事、財務、ITサービスなど各部門を縦割りで再編成する。
もっと読む スイス公共放送協会、大規模な組織再編計画を発表 人員削減も
おすすめの記事
スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
このコンテンツが公開されたのは、
米宇宙企業SpaceX(スペースX)が運営する通信衛星「Starlink(スターリンク)」のアンテナ40基をスイス南部の村に設置する計画に対し、反対する声が上がっている。
もっと読む スターリンクの衛星アンテナ設置に反対運動 スイス南部
おすすめの記事
スイスでは現金のチップが主流
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのレストランでクレジットカードやスマホ決済が普及しているが、チップは今も現金で払うのが主流だ。消費者の多くは、チップが確実にスタッフの手元に入るようことを重視している。
もっと読む スイスでは現金のチップが主流
おすすめの記事
プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの研究所が新たな研究結果を発表し、プラタナスは猛暑でも冷却効果を発揮することが分かった。樹木の冷却効果は30~35℃で限界に達するという既存の仮説を覆す結果が出た。
もっと読む プラタナス、猛暑でも冷却効果 スイスの研究
おすすめの記事
スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中銀、SNB)は19日、政策金利を0.25%引き下げて0%にすると発表した。
もっと読む スイス国立銀行、政策金利ゼロに引き下げ
おすすめの記事
欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
このコンテンツが公開されたのは、
メディア報道によると、ドイツ、フランス、英国の外相は20日、スイス・ジュネーブでイラン外相と核協議を行う見通しだ。
もっと読む 欧州外相、ジュネーブでイラン外相と核協議へ
おすすめの記事
スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス上院は17日、超富裕層の相続に相続税を課し環境保護の財源にする案を否決した。
もっと読む スイス議会、超富裕層への相続税案を否決 対案なく国民投票へ
おすすめの記事
見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。
もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
おすすめの記事
ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
このコンテンツが公開されたのは、
英国と大陸欧州をつなぐ高速鉄道ユーロスターは、スイス・ジュネーブとロンドンを結ぶ初の直通列車の運行を計画している。
もっと読む ユーロスター、スイスと英国結ぶ直通列車運行へ
続きを読む
おすすめの記事
スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。
もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし
おすすめの記事
長期化するパンデミック より厳しい国際的な保健ルールが必要か?
このコンテンツが公開されたのは、
ほとんどの国で新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に対する準備ができておらず、世界保健機関(WHO)の勧告も散発的にしか実施されていない。このウイルスが流行を繰り返す危険性がある中、国際的な保健政策は今後どうあるべきなのだろうか?一部の世界のリーダーやWHOは、「パンデミック条約」の策定を提案している。しかし、この国際条約が現実的かどうかについては、専門家やWHOの間でも意見が分かれている。
もっと読む 長期化するパンデミック より厳しい国際的な保健ルールが必要か?
おすすめの記事
スイスの改正CO2法、僅差で否決 2021年6月国民投票
このコンテンツが公開されたのは、
スイスで13日、国民投票が行われた。国の温室効果ガス排出量削減計画を定めた改正法は51.6%の反対で否決された。化学合成農薬の全面禁止など農薬関連のイニシアチブ(国民発議)2件はいずれも否決、改正テロ対策法、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)中に策定されたCOVID-19法は可決された。
もっと読む スイスの改正CO2法、僅差で否決 2021年6月国民投票
おすすめの記事
スイス、操業短縮制度の「乱用」急増 手続き簡素化で
このコンテンツが公開されたのは、
新型コロナウイルス危機で短縮労働を余儀なくされた従業員の給与を補償する政府の操業短縮制度で、スイス連邦監査事務所は同制度の悪用・誤用が急増していることに強い懸念を示した。
もっと読む スイス、操業短縮制度の「乱用」急増 手続き簡素化で
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。