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スイスでオンライン詐欺やフィッシングメール、高額商品の販売など高齢者を狙った詐欺が増えていることが調査で分かった。被害総額は年間約6億7500万フラン(約1100億円)に上るとみられる。
高齢者団体プロ・セネクトゥーテが2日、調査結果を発表した。それによると、ここ数年の間に詐欺事件に遭遇(未遂含む)したのは、55歳以上のほぼ80%に上った。
年間の推定被害額は約6億7500万フランに上る。5年前の最初の調査では4億フランだった。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが要因の1つとみられる。ロックダウンなどでインターネット利用が増え、詐欺の新たな温床になったとみられる。サイバー犯罪の件数は過去5年間でほぼ倍増し、調査対象者の52.3%が被害を受けている。
詐欺事件に遭遇した人のうち、実際に金銭を騙しとられるなどの被害に遭った人は全体の20%近くに上った。
スイスの高齢者は電話を使った詐欺に特に気をつけている一方で、国内では「ショックコール」と呼ばれる新しい現象が急増していると、スイス犯罪防止協会(SKP)のベアトリス・キューブリ氏は言う。
これは日本の「オレオレ詐欺」と同じ手口で、詐欺犯が医者や警察を装って高齢者宅に電話をかけ「あなたの親族が緊急事態に巻き込まれた」と持ちかける。高齢者はその話を間に受けて即座に金銭の要求に応じるとキューブリ氏は言う。「詐欺師は緊急事態といって、高齢者をたくみに操る」
スイス当局によると、こうしたオレオレ詐欺の犯行が今年、既に2800件報告された。件数は前年同期比の3倍に上り、被害額は800万フランという。
被害に遭った人の多くは、こういう事件があることは知っているものの「実際自分が電話を受けると、冷静に判断できなくなる」。被害防止キャンペーンでは金銭を要求する電話はすぐに切るよう呼びかける。
キューブリ氏は、高齢者には”Rosmarie “の代わりに “R “と書くなど、住所録にフルネームを載せないよう勧めるほか、不審な電話を受けたらすぐに警察に通報するよう呼びかける。
英語からの翻訳・編集:宇田薫
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