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スイス人が望む最期の迎え方



スイスでの自殺ほう助殺ほう助は絶えず議論の的になっている

スイスでの自殺ほう助殺ほう助は絶えず議論の的になっている

(Keystone)

「さまざまな条件付きでだが、自殺ほう助及び現在法律で禁じられている積極的安楽死をスイス人は支持している」という調査結果が9月2日、チューリヒ大学の調査で分かった。

これは、チューリヒ大学犯罪学科が1500人を対象に行ったアンケートで、この種の調査は初めてだという。

自殺ほう助

 「スイス人は、最期の迎え方は自分で決定し、法律によって規制されるのを好まない傾向が強い」
 と調査を指揮したクリスティアン・シュヴァルツェネッガー氏は全体をまとめた。

 スイスでは、自殺ほう助は法律で認められている。しかし自殺者と利害関係にある者によるほう助は違法に当たる。ただ、調査をより詳細に眺めるとニュアンスのある回答になっており
 「精神障害者や人生に疲れた人の自殺ほう助は全般に支持されていないが、アルツハイマー病患者や人生の最期に重い病気で苦しんでいる人の場合は、自殺ほう助に対する賛成を得ている」
 とシュヴァルツェネッガー氏は説明する。

安楽死

 今回行われたのは、こうした自殺ほう助と安楽死に関する調査で、両者とも道徳的及び法律的な二つ観点から検討された。

 安楽死には、「患者に安らかな死を迎えさせるため、積極的に睡眠薬や鎮痛剤などを投与して死に至らしめる」という積極的安楽死や、「不治の病の患者の痛みを和らげるための鎮痛剤の投与などが結果として死期を早めてしまう」という消極的安楽死などがあり、回答者には具体例も添えられた。
 
 「驚くことに、積極的安楽死は現在法律で禁止されているにもかかわらず、大多数の人が賛成した」とシュヴァルツェネッガー氏は話す。回答者は、自分で安楽死を決定できない人や、回復の見込みのないこん睡状態の患者などには、積極的安楽死を支持している。しかしあくまで患者の家族、親族が同意してのことだ。
 「こうした問題になると、人生の最期を自分たちで決めたいという姿勢が強くなり、宗教的な観点からの判断はより薄くなるようだ」
 とも説明する。

 だが、積極的安楽死は以上のような幅広い層の支持者がいるにもかかわらず、少数だが、非常に強い反対者が存在するため、法の改正は難しいだろうという。

自殺ほう助監視の法律

 一方自殺ほう助関しては、身体的、精神的な症状を明示した医師の証明書があるべきだなど、さまざまな議論があるのに対しシュヴァルツェネッガー氏は
 「自殺ほう助を乱用せず、関係者の適切な訓練を義務付けるような監視の法律を作成するほうが、混乱が少ない。単に自殺ほう助を禁止したり、道徳的な面を解説したりするより問題がすっきりする」
 と話す。

 ところで、エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ司法相は、自殺ほう助が認められているスイスに「自殺旅行」に来るドイツ人、イギリス人の増加に対し、制限を加える姿勢を見せている。

 今回の調査も3分の2の人が、「自殺旅行」に反対している。
 「これは恐らく、スイスのように小さな国が世界中の問題を解決できないこと。さらにもしこのままこの旅行を認めると、スイスはある種の自殺産業を行うことになる」
 とシュヴァルツェネッガー氏は説明する。しかし、全般的に回答者は、自殺ほう助を行う「ディグニタス ( Dignitas ) 」や「エグジット( Exit ) 」という組織を使って、尊厳ある死を選ぶことには賛成している。ただ、41%の人が自分は、このやり方を選ばないと記してはいるが。

医師が自殺ほう助に立ち会う

 調査結果発表の場に出席したエグジットのスポークスマン、ベルンハルト・スッター氏は、自分で最期を決定することや自殺ほう助に対する支持は、日頃から感じていることで驚かなかったが、ただ一つの例外は、86%もの人が自殺ほう助に際し、医師がもっと積極的に関与すべきだとの意見を持っていることだった。
 
 「実はすでに2年間にわたって、医師が自殺ほう助に立ち会うよう説得を行っている。別に何かをするわけではないが、医師がいるということで、ある種の安全性を患者が望んでいるからだ。しかし、医師たちはこれは自分たちの仕事ではないと拒否しているし、それは理解できる」
 と話す。

 スッター氏もシュヴァルツェネッガー氏同様、全般に「人生の最期に当たり、あまり多くの法律で縛られたくない」というメッセージを今回の調査で感じたという。そのため、エグジットとしては、ヴィトマー・シュルンプフ司法相を始めとするスイス政府が、こうした調査結果を詳細に検討し、より良い解決策を探って欲しいと結んだ。

イゾベル・レイボルド・ジョンソン、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、里信邦子 )

安楽死

安楽死は大きく三つに分けて考えられる。
積極的安楽死は、患者に安らかな死を迎えさせるため、積極的に睡眠薬や鎮痛剤などを投与して、死に至らしめること。
間接的安楽死は、不治の病の患者の痛みを和らげるための鎮痛剤の投与などが、結果として死期を早めてしまうこと。
消極的安楽死は、安らかな死のために延命手段を中止すること。
一方、自殺ほう助は、患者が自分の命を絶つのを医師に助けてもらうこと。しかし医師は、それを強制はしない。

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自殺ほう助と安楽死のヨーロッパ事情

スイスでは、自殺ほう助と消極的安楽死は法律で認められている。しかし、積極的安楽死は法律で禁止されている。ただ、例外的に間接的安楽死は認められている。
ドイツ、イタリアでは自殺ほう助は禁止されている。
フランスでは、2005年に間接的安楽死は法律で認められるようになったが、積極的安楽死は禁止されている。
オランダでは、積極的安楽死は認められている。
イギリスは自殺ほう助を最も厳しく禁止している国で、そのためスイスに自殺ほう助を求めて来るイギリス人が多い。

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