スイス中央部の町ヘルギスヴィルのガラス製造。新型コロナウイルスで打撃を受けた地域産業の救済策とは?
Keystone / Martin Ruetschi
スイス中央部のルツェルン湖畔の町ヘルギスヴィルで28日、基礎自治体レベルの住民投票が行われた。新型コロナウイルスで打撃を受けた地域経済を支援するため、成人の住民全員にそれぞれ500フラン(約5万5千円)の商品券を配る案が圧倒的な賛成で可決された。
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ニトヴァルデン準州にあるヘルギスヴィルは裕福な自治体で、人口は5800人。事業費は計260万フランとなる。
商品券は、地域内のレストラン、ショップ、事業サービスで使える。年末までに配布する。
地元政府は「住民と各世帯を財政支援し、できるだけ早く地元産業の売上高を増やすことが目的」とした。また「この措置が消費者の需要を後押しし、それにより地域の経済サイクルを早急に支援できる」と述べた。
ほかの地域でも
地元産業と観光を後押しするこうした制度は、国内の他地域でも行われている。
ツークでは5月、1000万フラン相当の「コロナ基金」を設立。大部分が地元の鉄道事業に充てられ、列車の利用者には100フラン相当のクーポンが配られる。
オプヴァルデン、ニトヴァルデン、ウーリ、ティチーノ、トゥールガウ、ヴァレー(ヴァリス)州でも類似の制度が立ち上がっている。
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