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新型コロナウイルス感染拡大に伴う今年春の一部ロックダウン(都市封鎖)中とその後の夏季で、庭や大きなバルコニーのない家に住む家族は、そうでない家族より多くのストレスを感じていたことが最近の調査で分かった。
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ルツェルン応用科学芸術大学が14日、調査結果を発表した。
調査は同大学の委託で世論調査機関gfs.bernが実施。スイス全国の1037人を対象に、今年3~5月の一部ロックダウン中とその後の夏季4週間の2つの期間で、家庭内の雰囲気がそれぞれどうだったかを聞いた。
調査結果によると、回答者の過半数が家庭内の雰囲気はどちらの期間中も和やかだったと答えたが、4分の1は軋轢や緊張を感じたと回答した。一部ロックダウンが講じられていた期間、テラスや庭のある戸建て住宅・アパートに住む家族は、そうでない世帯よりも家族内が和やかだった。
収入も要因の1つで、お金がない家ほど家庭内の緊張は高まった。3~5月は学校も休校になり、仕事をしながら休校中の子供や高齢の親の世話をしなければならない家庭は不和になることが多かった。
同大学で家庭内暴力を専門に研究するパウラ・クリューガー氏によると、以前から懸念されていた家庭内暴力(DV)の急激な増加は今のところ見られない。ただ長期間にわたるパンデミックにより、人々の神経がすり減っていることが調査結果に表れているという。
子供への暴力が増加
回答者の約5.5%がパンデミック期間中、大人による家族内暴力があったと答えた。この数値は夏季では5.2%に減少した。しかし調査の担当者は、夏季の調査期間はロックダウン中の半分で、完全な比較値にはならないという。
一方で、子供への暴力は増加した。子供と同居する回答者の4.5%が、同期間中に子供に対して暴力的になったことがあると回答した。この数値は夏季では5.6%に増えた。最も一般的な形態は心理的虐待で、特に言葉による虐待を繰り返すものが目立つ。
身体的・性的暴力の被害を受けたと答えた人は少数にとどまった。
調査はコロナ危機前との比較はしていない。2021年末まで継続して行う。
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